顧客価値の変遷

顧客価値の変遷

顧客価値という概念は非常に多義的な意味を持っており、時代の流れに伴って変化します。
ここでは、顧客価値の変遷に迫ってみたいと思います。

旧来の顧客価値

一昔前の市場では、製品を評価する際には「機能性」が重視されていました。
そのため、企業はより機能性が高い製品を製造・提供することによって顧客価値創造を図っていました。
これはいわば、企業間の「技術力」の勝負といえます。エンジニアが発想したことを如何にして製品化できるかという技術こそが、企業の差別化の手段であり武器でもありました。

現在の顧客価値

現在はこれが見直されつつありますが、この背景には「グローバル化による市場競争の激化」や「消費者ニーズの多様化」などの要因が挙げられます。
市場競争が激化したことによって差別化意識が高まりましたが、これによって製品機能が均質化され、技術を売りにした商品企画では差別化が難しくなりました。
インターネットやメディアを通して様々な情報が手にできる今、消費者はあらゆる手段で情報収集を図り、比較検討を行ったうえで「本当に欲しいもの」を選択します。

消費者行動がこのように変わったことで、顧客価値も変化を遂げました。
旧来の顧客価値では製品の「機能性」が重要視されていましたが、現在は「製品がもたらす体験や満足」が重要視されています。
まさにハードからソフト、デザイン、ブランドさらにはスピードが重視されます。
そんな中で機能性や性能のみを追求しても、顧客価値創造につながるとはいえません。
他社と圧倒的な技術力の差がある場合は話が別ですが、製品機能の均質化が顕著になった今ではそれも難しいのではないでしょうか。

このように、顧客価値は時代の流れに伴って変わりつつあります。
売上拡大やコスト削減など、経営者様が取り組むべき課題は山ほどあると存じますが、顧客価値の見直しも重要といえます。

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