NO 23 おもしろおかしく!

2015年12月9日

おもしろおかしく」は本年7月、90歳で亡くなられた自動車排ガス測定器シェア8割を誇る堀場製作所創業者の堀場雅夫さんの言葉です。

この「おもしろおかしく」は同社の社是でもあり30年以上も前に「なんと奇抜な社是だろう!」と思ったことがあります。しかし今になって考えてみると人間の本質を突く見事な言葉だったと感慨にふけっています。

堀場さんは「人間は仕事に最も長い時間を使う、仕事が楽しくなければ人生も幸福にならない」を持論にされたそうです。そしてまた誰もがおもしろく働ける環境整備に心血を注がれたとも言われています。現2代目の堀場厚会長兼社長にもこのことは引き継がれているように思います。

10月20日の日本経済新聞に“息づく「おもしろく働く」堀場製作所に創業者の遺志”という特集記事が組まれていましたので、そこからひも解いてみたいと思います。

「好きな仕事しか人間は本気でやらないと創業者は話していた」と振り返り、社員が自主的に挑戦する環境づくりが欠かせないと指摘する。

堀場製作所の人事評価は加点主義が原則で3か月ごとに決めた挑戦目標はシステム上で役職や部署を越え会社全体に公開される。挑戦した結果の失敗は評価するが、何もしないのは0点だ。

海外研修の選抜に挑戦し、選考に漏れた社員にも「挑戦してくれてありがとう。次回も挑戦してほしい」と堀場厚社長からメッセージが送られる。手を挙げる人には経営全体で「もっと行け」と後押しする風土がある。 また誕生日を迎える社員と役員が交流する「誕生会」が毎月開催され交流・懇親を深める工夫も続けられている。また新製品が完成した時も交流の場が設けられ、開発に携わった全員を経営トップが表彰、「頑張る人に報いる加点主義の一例」と(人事部門で「おもしろい」働き方に取り組んでいる理事の野崎治子さんの証言)

堀場雅夫さんは他にも「イヤならやめろ」の言葉について『嫌な仕事は辞めればいいが「向いていない」と断言できるのか、必死で取り組めばおもしろさは見えてくるはずだ』ともおっしゃっている。堀場製作所さんのように一体感のある企業風土、従業員の前向きな行動を促す職場づくりは今後ますます必要になってくると思います。