ウェルビーイングとは「良好な状態」とも言い、①狭義の健康②幸福・幸せ(感情としての幸せ:楽しい、嬉しい)③福祉・・・の3つがそろっている状態です。(以下慶応義塾大学 前野隆司氏の資料から:大阪府経営合理化協会講演資料、幸福経学入門:2024,1,30)
またウェルビーイングでは「視野の広さ」「チャレンジ精神」「協調性」「やる気」「思いやり」も必要です。
ハーバードビジネスレビュウー2012年5月号「幸福の戦略」では米国上場企業1600社以上分析した結果、従業員の幸福度が高い会社は企業価値、株式のパフォーマンス、収益性が高いことが分かったそうです。
幸福度の高い社員の
創造性は3倍、生産性は31%高い、売上は37%高い
幸福度の高い社員は
欠勤率が41%低く、離職率が59%低く、業務上の事故が70%少ない
人的資本経営という言葉がありますが、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方のことです。人的資本経営を目指すことは
ウェルビーイングの向上に通じるのです
また幸福学の基礎では
・「地位財」型の幸せ=長続きしない!
・地位財=他人と比べられる財
・金、モノ、社会的地位 ・・・金銭欲、物欲、名誉欲の充実
・「非地位財」型の幸せ=長続きする!
・安全など、環境に基づくもの ・・・社会的に良好な状態
・健康など、身体に基づくもの ・・・身体的に良好な状態
・心的要因(幸せの4つの因子) ・・・精神的に良好な状態
1 自己実現と成長(やってみよう因子)強み、主体性
2 つながりと感謝(ありがとう因子)利他、多様性
3 前向きと楽観(なんとかなる因子)チャレンジ精神
4 独立と自分らしさ(ありのままに因子)自分軸
確かに地位財が多くても非地位財がなくては幸せは長続きしません。
また慶応前野研究室が発表している「働く人の幸せの7因子・不幸せの7因子」は良くまとまっています
幸せの7因子:自己成長、自己裁量、チームワーク、他者承認、役割認識、他者貢献、リフレッシュ
不幸せの7因子:オーバーワーク、理不尽、疎外感、協働不全、評価不満、不快空間、自己抑制(自分の強みを生かされない)
ウェルビーイング経営のために何をやればいいのかという事例紹介で伊那食品は「家族だったらどうする?」を基本に経営しているそうです、西精工さんは「挨拶」「掃除」「コミュニケーション」を大切にしているそうです、ネッツトヨタ南国さんは「働きがいのある職場」「社員に任せる経営」を推進しているそうです。いずれも業績を伸ばしています。