代表ススムのブログ

NO97 働きがい向上Ⅱ

2022年5月15日 日曜日

 政府が2016年に働き方改革を打ち出して以降、日本企業の長時間労働の是正(労働者1人当たりの年間総労働時間は20年1685時間と16年比5,5%減)有給休暇取得率の改善(7,2ポイントの改善で56,6%と過去最高)が見られましたが働きがいの面ではまだまだ改善がみられていないというのです。(日本経済新聞2022年5月1日記事)

社員が会社を信頼し貢献したいと考えることをエンゲージメント(組織に対する愛着心を指し、一般的に「愛社精神」とほとんど同様の意味として使われています)と言います。

米人事コンサル大手のコーン・フェリー社がグローバル企業610社580万人を相手に20~21年に実施したエンゲージメント調査によれば、働きがいを感じる社員の割合は日本が56%、世界平均を10ポイント下回るようです。23か国中、最下位が過去6年続いています。

背景には、日本企業の組織運営の改革遅れがあるとみる専門家は多いようです。コーン・フェリー日本法人の岡部雅仁氏は「上位下達の組織風土や年功序列によるポスト停滞など、旧来型の日本型経営が社員の働きがい低迷に影響している」と分析されています。「個人の創意工夫の範囲が狭まったり、現場に権限移譲が進んでいなかったりするのも要因」(リンクアンドモチベーション)との指摘です。

社員の働きがいは企業業績にも影響します。パーソル総研と慶応大学の前野隆司教授の

19~20年調査によりますと働くことを通じて幸せを感じる社員の多い企業で売り上げが伸びたのは34%、幸せを感じる社員が少ない企業で売り上げが伸びた企業の割合の25%を上回る結果が出ています。社員の自主性や創意工夫、権限移譲を進め「社員の働きがい向上」を図ってください。会社に活力が生まれてきます。

NO96 経営の原理原則

2022年4月26日 火曜日

経営コンサルタントとして名高い小宮一慶氏の「経営が必ずうまくいく考え方」(PHP研究所刊)の経営の原理原則を紹介します。

小宮一慶先生(こみや かずよし)の授業・動画|オンライン動画 ...の画像

・戦略を立てるにしても、ベースは理念なのです。自然の法理に適っていれば成功するほかありません。正しい考え方があれば経営は

 うまくいきます「志」「哲学」「理念」「ミッション」「ビジョン」がそれに相当します。私はドラッカー、松下幸之助の

 「道を開く」「実践経営哲学」からそれを学びました。

・経営とは1会社の方向付け 2資源の最適配分 3人を動かす の3つからなります。 そのため3つのことを勉強してください。

 1つ目は新聞を読むこと 会社は例外なく社会という大きな器の中で、その動向に影響を受けます。世の動向を常に知っておくこ

 とは経営者の意思決定に欠かせません。2つ目に経営の原理原則を学ぶこと。3つ目は正しい生き方を知ること。正しい生き方を

 知れば必然的に正しいビジネスのあり方がわかります。

・会社の使命の根幹は2つあります。1つはドラッカーが言うところの「独自の貢献」マーケティングの概念で言えば「QPS」です。

 QPSはクオリティー(品質)プライス(価格)サービスの3要素。ここで言うサービスとは「お金を払わない部分の価値」を意味し

 ます。「清潔だから」「対応が丁寧だから」「店員さんと顔なじみだから」などです。

・もう1つの会社の存在意義の根幹は何か。それは「人」です。「働く人を活かし、幸せにする」働く幸せと経済的幸せです。

 社会に独自の貢献を行うことと従業員を活かして幸せにすること。会社の普遍的な存在意義は、この2本柱で成立します。

 あとは「あたりまえのことをバカになってちゃんとやる」ことです。

・そして「お客様第一」であること。「お客さま本位の志と理念が社員を動かします」お客さまが求めること、喜ぶことを実践して

 いる限り、売り上げは伸びます。

 

 

NO95 鈴木敏文氏

2022年3月1日 火曜日

日経ビジネスの2022年2月24日号に「セブンの覚悟」という特集が組まれました。その中でセブン・イレブンを創設された鈴木敏文さん(89歳)が引退してなお本社近くで執務をされており「セブンの今後」について語られていますので紹介したいと思います。

鈴木敏文氏写真 に対する画像結果.サイズ: 193 x 101。ソース: diamond.jp

・セブンーイレブンジャパンを立ち上げる時は「コンビニ」って何だろうと考えるところから始めた。やはり「コンビニエンス」、

 つまり「便利」な店だよね、「便利」とはどういうことか、とずっとやってきたわけ・「不便を便利に」。行動原理はシンプル

 だが、簡単ではなさそうだ。例えば「おにぎり」おにぎりは伝統的に食べられてきたけど、それを売っている店なんてほとんど

 なかった。

 でも米食の文化はこれだけ続いている。みんなが手軽に手に取れるようにしたらいいんじゃないか。日本の人たちが何を望んで

 いるかをリサーチして、それを実現しようと追い求めてきたわけです。不便を1つひとつつぶしていくんです。実は、みんなが

 不便だと思っていることほど着手が遅れているんですよ。

・コンビニの「後」はどうなるか。より合理化されていけば、消費の在り方は相当ネットに傾いていくでしょうね。時代とともに、

 求められるものはどんどん変わっていくんです。時代の変化を常に見つめて順応する。今後のコンビニは相当変わるでしょう。

 変わらないとやっていけなくなりますよ。多くのものが一般化されると、慌てて店に買いに行く必要がなくなる。だから、

 新しいものを提供し続けないといけない。

・「流行」という言葉があるでしょう。流行は環境の変化についていくということ。店だ って同じですよ。自分たちの考えを

 お客に押し付けといるようではダメ。しゃれた言葉 で言えばマーケティングをし続けないといけない。コンビニはその時その時

 の便利さを追求していけばいい。将来、コンビニは店で売るだけでなくそこを基地として配達するというような時代に変わっていく

 かもしれない。すると店選びも変わっていく。

・歴史を眺めるのはいいけれど、そこから何を学び取るのではなくて、じゃあ自分はどうしようかというのを主体的に考えていかないと

 いけない。自分が新しい歴史を創るという考え方をね。「変えないから偉いでしょう」じゃなくて、変えないことはおかしい

 という考え方をすべきです。世の中では新しいことが常に生まれるんです。

やさしい言葉で語られていますが「深い洞察」があり感銘を受けました。結局、新しい経営陣が主体的に「自分が新しい歴史を創る」

という覚悟で時代の変化を見据え変えるべきところを変えることが大事なんでしょう。

NO94 働きがい向上

2022年2月8日 火曜日

 企業における社員の働きがいが2019年版労働経済白書に取り上げられたのをきっかけに、働きがいを測る尺度として「ワーク・エンゲージメント(Work engagement:仕事への前向きな姿勢,仕事に対してポジティブで充実した心理状態)」に関心が高まっています。(日経産業新聞2022,1,31日号及びインターネット情報)

これはオランダ、ユトレヒト大学のウイルマー・シャウフェリ教授らが提唱した概念で、

活力・熱意・没頭の3つの要素から定義されています。仕事から力を得て生き生きとし(活力)仕事に誇りとやりがいを感じ(熱意)仕事に熱心に取り組んでいる(没頭)社員ほどワーク・エンゲージメントが高いというわけです。エンゲージメントとは組織や仕事に対して

自発的な貢献意欲を持ち、主体的に取り組んでいる心理状態とも言われています。

職場のワーク・エンゲージメントを高める方法として4つの方法を推奨しています(島津明人慶応義塾大学教授)1つ目は職場メンバーで「参加型討議」で職場活性化の取り組みを検討、企画、実施すること、2つ目に職場内でお互いに尊重し合える人間関係を築くための対話を積み重ねること、3つ目に個人が自らやりがいのある働き方を工夫する研修プログラム、4つ目は職場の「思いやり行動」を増やすプログラムだそうです。

まずは身近なところから働きがい3つの要素で職場の人たちを観察してみて向上の必要を感じるならワーク・エンゲージメントについて学習し働きがい向上のPDCAのサイクル、計画、実行、評価、改善に取り組んでみてはいかがでしょう。

NO93 顧客満足

2021年12月22日 水曜日

 今回は顧客満足について考えてみたいと思います。顧客満足(CS)はCustomer Satisfaction(カスタマー・サティスファクション)のことで鈴木豊氏の「顧客満足の基本がわかる本」(PHP文庫)とインターネット情報をもとにしています。

企業が提供する商品やサービスが、顧客の期待値(満足度)にどの程度、応えているかを定義する用語です。

顧客は「商品」を買っていると考えられがちですが、実はそうではなく、商品の先にある満足という価値を買っているのです。著名な経営学者であるドラツカーは「顧客は満足を買っている」という言葉を残しています。

つまり顧客満足度は顧客が購入前に抱く期待値と、実際の商品価値とのギャップで決まるわけです。顧客が満足すればリピーターになったり、満足した顧客が商品の情報を拡散したり、売り上げ拡大につながる可能性があります。顧客満足度を高める基本的条件は「親身になって赤の他人の求める様々な要求にどれくらいきちんと応えられるか」ということです。専門的知識を駆使して答えるだけでなく、親身になっていなければ顧客は満足してくれないということです。

顧客満足の基本的要素は①商品②サービス③企業(店舗)イメージの3つです。

さらに顧客満足度を飛躍的に高めるための新3原則として

①ホスピタリティ(もてなしの心:接触力)

  • エンターテインメント(驚くような感動をもたらす:演出力)

③プリバリツジ(特別待遇:提案力)と言われています。

さらに顧客満足度を向上させる具体策として

①既存顧客のカスタマーサクセス強化(顧客を成功に導くということで顧客に対して受動的対応ではなく自社商品に対して抱く疑問や不満を事前に予測し、先回りのフォローをすることで顧客満足度を上げる方法)

②CRMやSFAを活用(CRMやSFAを導入活用して正確かつ早く顧客分析をして顧客満足度を向上させる方法)

③従業員満足(ES)の向上(従業員満足度が高い会社であればモチベーションも高く仕事に取り組むことで業務の質が向上し、結果として良い製品やサービスを顧客に届けることも可能となる)

もう1つ多くの企業が繰り返してしまう“顧客不満足”の3原則(3つの思い込み)というのがあります。

  • 売り手は顧客のことをよく考えて行動していると思い込んでいます。しかし本当は顧客のことよりも自己の都合を優先していることが圧倒的に多いのです
  • 満足している顧客は、他の商品や店舗に目もくれないと、思い込んでいます。顧客は満足していてもしばしば他人の食べ物や持ち物に目移りするものです
  • 売り手は、調べてみれば顧客ニーズはわかると思い込んでいるのです。顧客は滅多に本当のことを言ってくれません。なぜなら顧客の求めているものは“すべてを”なのです。

顧客満足度は長期的視点での“顧客維持(カスタマー・リレーション)”の関係形成が不可欠です。大切な顧客として継続的、かつ高度に特典が提供される仕組みがあれば、顧客は誰でもその企業に対し特別なロイヤリティーを示し、長く付き合える関係を築こうとする態度を表明するものです。優良顧客を生み出し大事に育てることです。

NO92 気候危機

2021年11月4日 木曜日

 国連のグテレス事務総長は英国のグラスゴーで10月31日から開催された第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)を前に日本経済新聞に寄稿されました。大変感銘を受けました。主な内容を紹介します。就任宣誓式に臨み、総会に向けて演説を行うアントニオ・グテーレス次期国連事務総長©UN Photo/Eskinder Debebe

(参考:日本経済新聞2021年10月29日、31日、11月2日、4、16日、日経産業新聞11月30日)

 ・気候危機は人類に対する赤信号だ。

 ・警告の兆しはもはや見過ごせないレベルに達している。気温は至るところで過去最高を更新し、生物多様性

  は過去最低の水準に落ち込んでいる。海は水温が上昇し、酸性化が進み、プラスチック廃棄物で窒息死しか

  けている。今世紀末には人類が住めない死の地帯が大幅に増えるだろう。

 ・英医学雑誌ランセットでは気候変動は数年後に「人間の健康を左右する要因」になると指摘した。広い範囲で

  飢餓や呼吸器疾患、大災害、新型コロナウイルスよりもひどい感染症の大流行を引き起こすほどの危機だ。

 ・各国政府が最近、気候変動の新たな目標を表明しているのは歓迎すべきで非常に重要だ。それでも気温

  の上昇幅が2度を上回る悲惨な状態に向かっている。パリ協定で合意した1,5度目標とは雲泥の差が

  ある。科学はこの目標を達成するのが唯一の持続可能な道であることを示している。この目標は十分に

  達成可能だ。今後10年で世界の温暖化ガス排出量を2010年比45%削減し50年までに実質ゼロを

  達成すれば可能になる(現時点では産業革命前から気温は既に1,1度上昇している)

 ・全ての国は、化石燃料を燃やす旧式の開発モデルは自国の経済と地球に対する死刑宣告になると認識する

  必要がある。私たちは今すぐに、あらゆる国のあらゆる部門で脱炭素を進めなくてはならない。補助金を

  化石燃料から再生エネルギーに振り向け、人ではなく汚染に対して課税すべきだ。

 ・経済協力開発機構(OECD)加盟国は30年までに、全ての国は40年までに石炭からの段階的な脱却も進め

  るべきだ。人々が政府の主導を期待するのはもっともだが、私たち全員に人類の未来を守る責任がある。

  企業は気候への影響を軽減しなくてはならない。自社の業務と資金の流れを完全かつ確実に脱炭素の未来に

  足並みをそろえる必要がある。全ての社会の個人は食事や旅行、買い物の際により良い責任ある選択をする 

  べきだ。

 ・全ての国がこの移行を果たせるように支援するため、世界は団結しなくてはならない。先進国は発展途上国

  に気候変動の投融資を年間1000億ドル(11兆3000億円)以上提供するとの約束を至急果たさなく

  てはならない。国連は人類が直面する最大の脅威への対応の合意を形成するために76年前に設立された。

  だが今回のような存亡をかけた真の危機に直面するのは異例だ。進むべき道は1つだ。気温上昇を1,5度に

        抑えることだけが人類にとって存続可能な未来だ。行動を起こさなくてはならない。

今回のCOP26については、地球の気温上昇を産業革命前より1,5度以内に抑える努力目標を実現するには、世界

で10年比で温暖化ガスを45%削減する必要があります(2015年12月パリ協定として196カ国が参加、国際協定として合意)しかし危機感は共有できたものの現状の目標を足し合わせても30年時点で13,7%増となり1,5度目標の達成にはほど遠いもので、達成には30年にかけて中国、インド、ロシアの大幅な排出削減に加え日本や米国の追加努力が欠かせないことがわかりました。COP26での合意内容は①1,5度目標を目指し「努力追求」②石炭火力発電の段階的な削減③途上国への資金支援の拡充(先進国による年1000億ドル)④国際排出枠の取引ルールの4項目です。アントニオ・グテレス事務総長は「前進のための基礎を手に入れた」と述べています。産業革命前からの気温上昇は1,5度以内に抑える努力を追求すると明記され、足並みをそろえた意味は大きいと思います。

NO91 顧客理解

2021年10月30日 土曜日

2021年8月9日号から4週にわたって日経ビジネスに「顧客起点の経営改革」という特集が組まれました。

この記事はロート製薬やP&Gの「パンパース」などで手腕を発揮され数々のブランドや事業をヒットさせてきたマーケティングコンサルタントである西口一希さんによるものです。ロート製薬ではスキンケアブランド「肌ラボ」を担当し、売上を8倍に伸ばされたそうです。「顧客起点の経営改革」の要点をあげます。

  ・経営者が「思うようにうまくいかない」事態において共通するのは、意思決定の土台となるべき「顧客

   理解が弱い」ことだ。

  ・既存顧客も、潜在顧客もすべて数字として平均化、最大公約数化して捉えている以上新規顧客の獲得、

   顧客のファン化、あるいは新規の事業創造への具体的アクションは見えてこない

  ・顧客起点の経営改革のためには、以下のフレームワークの理解と適用が大事である。

         顧客起点の経営改革フレームワーク(経営のブラックボックス)

経営対象

顧客心理

顧客行動

財務結果

管理が可能

・新規顧客獲得への投資

・既存顧客維持への投資

・既存顧客育成への投資

 

プロダクトの開発、改良

上記を実行する組織、人材、

教育、オペレーション文化

特定顧客層(WHO)の特定のプロジェクト認知形成(機能・特徴・イメージ)

 

その顧客層(WHO)の便益、独自性(WHAT)となり購買意向となる

顧客数×

新規の流入(+)

・アイテム、単価、頻度

・定着率(既存顧客化)

単価×

 ・既存の維持・流出(-)

・アイテム、単価、頻度

頻度=売上  

(BtoB-リード数、商

談数、案件化数、受注数)

売上-

費用=

利益  

管理が困難

・競合や代替品の動き

・社会環境と価値観

 

 

変動費+

固定費

  ・顧客が見えていないとは、まさに図の左から2つめの「顧客心理」がブラックボックスになっている

   ことに他ならない。

  ・どの企業も右端の「売上-費用=利益」、言い換えると売上最大化と費用の最小化による利益の最大化

   を事業成長のために追いかけている。一方、その財務結果を得るために経営が対象にするものが左端の

   「経営対象」だ。顧客獲得や維持、育成のための投資、それによるプロダクトの開発から人材育成まで

   の組織内での策は管理が可能と言える。

  ・一方、管理が困難な要素が競合や代替品の動き、また社会環境や価値観の変化だ、これらは管理がで

   きないながら費用を左右する。つまり経営が管理する対象への投資は、そのまま「変動費+固定費」に

   なるのではなく「管理が困難」な要素の影響によって常に変動する。

  ・ここで、あるべきプロセスとは①経営が対象とする「新規顧客の獲得」「既存顧客の維持・育成」への

   投資が顧客に届き②顧客の心理が変化し③顧客行動が変化し④その結果として投資対効果が最適化され

   利益が向上することだ。

  ・経営が可視化すべきは、顧客心理と顧客行動の関係を可視化し、経営と組織全体に実装できれば、投資

   効果を高め、収益性の向上を実現できる。逆に顧客心理と行動の関係が見えないままの投資は、顧客行

   の変化をただ“期待”しながら暗闇に投資するようなもので、費用だけが確実に積み上がることになる。

 顧客起点の経営改革フレームワークの部分の紹介だけに終わりましたが(表がうまく表示できていませんが)

 今までにない価値あるマーケティングのフレームワークだと思います。

NO90 温暖化リスク

2021年9月1日 水曜日

 IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)が2021年8月9日に第6次報告者を発表しました。

それによると産業革命(1760~1830年)前と比べた世界の気温上昇が2021~40年に1,5度に達するとの予測を公表したのです。(参考:日本経済新聞2021,8,10日)

温暖化は前回発表した2018年の想定より10年ほど早くなるとのことです。そしてもう一つ今回は『人間の活動の温暖化への影響は「疑う余地がない」と断定した』ことです。自然災害を増やす温暖化を抑えるには二酸化炭素(CO2)排出を実質ゼロにする必要があると指摘しています。

確かに世界人口は1世紀頃から産業革命ぐらいまでは数億人であったものが1950年には25億人、2017年には75億人と爆発的に増えています。2050年には97億人とも言われています

産業革命前は半世紀に1回だった猛暑は1,5度の上昇で9倍、2度で14倍に増えると予測されています。強烈な熱帯低気圧の発生率も上がり干ばつも深刻になり、平均海面水位は直近120年で0,2メートル上がっているとのことです。気候変動のリスクを正面から受け止め、対策を急ぐ必要があることは言うまでもありません。

    IPCC第6次評価報告書から平均気温が上昇すると異常気象が増える

温度上昇

1度(現在)

1,5度の場合

2度の場合

熱波など極端な高温

気温

発生率

+1,2度

4,8倍

+2度

8,6倍

+2,7度

13,9倍

極端な大雨

雨量

発生率

+6,7%

1,3倍

+10,5%

1,5倍

+14%

1,7倍

農業に被害を及ぼす干ばつ

発生率

1,7倍

2倍

2,4倍

2100年までの海面上昇(1995~2014年比)

高さ

  

0,28~0,55

メートル

0,32~0,62

メートル

21世紀に入り、新興国や途上国の経済成長に合わせ温暖化ガスの排出は急増しています。気温はこれまで約1度上昇しています。顕著な影響は山火事です。20年に大きな被害が出た米カルフォルニア州のほかロシアやカナダ、トルコ南西部でも相次ぎ、北極圏は他の地域の2倍超のペースで温暖化が進み、気温が1,5度上がった場合、海面上昇や台風で世界の1億4千万人が浸水などの被害を受けると予測しています。

IPCCは化石燃料の削減など抜本的な対策を取らない場合、気温は今世紀末に最大5,7度も上昇すると試算しています。影響はさらに深刻になりかねません。

報告書では「次の10年が決定的に重要だ」と声明を発表しています。今世紀半ばに温暖化ガスの排出を実質ゼロにするために、石炭火力発電の廃止や電気自動車への移行の加速が不可欠との見方を示しています。

政府は8月4日、30年度に温室効果ガス排出量を13年度比46%削減する目標達成をめざし計画案を示しました。2013年の温室効果ガスの排出量(実績)は14億800万トン、それを30年には7億6000万トンに46%削減する目標です。

政府は具体的には工場などの産業部門は1億7300万トン(37%)オフィスなど業務部門は1億1800万トン削る。家庭部門は1億3800万トン(66%)の大幅な圧縮を見込んでいます。CO2排出量の7割が電力由来であることから、計画案では省エネ家電への買い換えやLEDへの取り替え、断熱効果の高い建材による住宅改修、屋根に設置する太陽光発電、高効率給湯器の導入促進などをあげています。発電所を含むエネルギー転換部門では再生可能エネルギーを現在の2倍に増やすなどして発電由来のCO2を抑える方針を示しています。

温暖化リスクは待ったなしのところまで来ています。それぞれの立場で温暖化を食い止める取り組みが必要です。

 

NO89 米中関係

2021年8月26日 木曜日

 中国には仕事の関係でこの40年で20回以上訪れています。ほとんどが上海、広州でしたが別途、旅行で杭州、西安に訪れたことがあります。私が接触した中国の人々は、それぞれ優秀で主張すべきことは主張しますし仕事もできる、日本に対して敬愛の念を持っていました。しかし初訪問の時、街はずれや商店街を見てみると日本の戦後の様で「汚い」「不衛生」人々の生活状態は豊かとは言えない状況だったと思います。また仕事のレベルは古いやり方のまま前近代的で日本に比べて30年、50年遅れているなと思いました。しかし中国は79年の国交正常化以降、現代中国の父と呼ばれる鄧小平や周恩来の登場によって「韜光養晦(とうこうようかい:能力を隠して力を蓄える)」「経済改革・開放路線」を推し進めます。そして89年の天安門事件を乗り越えて、この40年欧米、日本に学んで驚異的な発展を遂げました。GDP世界2位の大国です。

1971年、キッシンジャー大統領補佐官が極秘訪中して半世紀を迎えます。ここで米国がとり続けてきた中国との一定の関係を維持しながら変化を促す「関与政策」が終わろうとしています。そこで米中2人の識者の今後

についての意見を取り上げたいと思います。(参考:日本経済新聞夕刊2021,8,20日「政界Zoom」脱キッシンジャー路線、米中識者に聞く)

<対中政策を米政府や議会に助言している弁護士ゴードン・チャン氏>

 ・米国は中国共産党政権の本質を見誤った。国際秩序に組み入れれば共産主義体制も良好なものになるという

  認識を持ち続けてきた。実際には関与政策は失敗に終わり中国の危険性が一段と増しただけだった。

 ・旧ソ連が崩壊した1991年頃に政策変更すべきだった。民主主義と共産主義の戦いはゼロサムゲームだ

  (誰かの得点(利益)が同じ分だけ誰かの失点(損失)となる。その総和(=サム)が常にゼロである)

  もはや米国は中国に関与すべきではない

 ・貿易、投資、技術協力などを含めて関係を断ち切るべきだ。彼らは米中の接触を不当に利用し、私たちを打

  ち負かそうとしている

 ・中国は知的財産権の窃取や略奪的な貿易によって米国や日本から富と成長力を奪っている。その意味で世界

  経済のエンジンではなく、むしろ障害物と言える。これまでの優柔不断な対中政策が今のような危険な状態

  を作り出した。リスクを伴わない政策はもはやなくなった。その中で最善を探るべきだ。

<米国と中日関係に詳しい上海外国語大学廉トクカイ教授>

 ・米国が中国と一定の関係を維持しながら経済発展や民主化を促すキッシンジャーの対中政策に戻ることは

  もうないだろう。両国は協力と競争が同居する新しい関係になった。キッシンジャー氏の関与政策の背景に

  は米ソ関係があった。

 ・長い間、米国にとって中国がソ連以上の脅威になることはなかった。状況が変わったのは最近だ。中国の経

  済力は世界第2位になり米国の背中を捉えている。おそらく10年以内に追い越すだろう。軍事技術も急速

  に進歩した。北東アジアでは米国と互角以上の実力を備えつつある。

 ・中国が主張するのは「新型大国関係」だ。米国に取って代わるつもりはなく大国同士でウィンウィンの関係

  を築きたい。この考えが米国でなかなか理解されない。米国が中日関係を引き離そうとしており、残念なが

  ら政治上の理由から協力が進まない。

「日本は地理的に近い中国と経済関係を断つのは現実的ではなく、不要な対立を避ける必要がある。日本外交は米中対立の狭間で隘路(狭くと通りにくい道)を探るしかない」と新聞では締めくくっています。

NO88 イキイキする人

2021年8月20日 金曜日

 今日、仕事帰りの電車で50歳を超えて「イキイキしている人」と「枯れている人」がはっきり分かれるという夕刊フジの記事に目を見張りました。これを書かれたのはエッセイスト・作家の潮凪洋介(しおなぎようすけ)という方です。

『イキイキしている人は

      ・好きで得意のことをしている

      ・友愛のある良好な人間関係の中で生きている

      ・最低限のお金に困っていない

 の3つの要素を兼ね備えている』というのです。私も同感です。

補足で

  • 大切なのは幸福度指数。財産と幸福度は比例しない。たとえ大金を得たとしても本当にドキドキワクワクすることをしているかどうか?分かり合える家族や友達がいるかどうか?その2つがなければお金を得ても本末転倒。もちろんお金は大切だが、最低限の収入を得たならば何が本当の幸せか考えることが大切だ
  • 自分の居場所は自分でつくる
  • 夢を見るには「体力」が必要。ほっておくと筋肉は目に見えて衰える。筋肉貯金をしよう。体が資本。

    私は「ウォーキング」を加えた方がいいと思います。

これに関連して世界の喜劇王と言われたチャールズ・チャップリンが残した言葉があります。

   『人生は恐れなければ、とても素晴らしいものなんだよ!

          人生に必要なもの。それは勇気と想像力、そして少しのお金だ』