モチベーションとは「動機」を意味する英語(motivation)ですが、日本では「動機づけ」や「やる気」を意味する言葉として用いられることがあります。人間を行動に駆り立てるものは何か、と考えてみれば
モチベーション1・0:原始時代は空腹を満たしたり生殖など生存本能に基づくもの。
モチベーション2・0:工業化社会、サラリーマン社会ではアメとムチで駆りたてられた。
そしてモチベーション3・0の時代になった。(参考:モチベーション3・0 著者ダニエル・ピンク、講談社>ダニエル・ピンクはモチベーション3・0には3つの要素が必要だと言う。「内発的動機づけ」それは①自律性②マスタリー(熟達)③目的の3つである。
1、自律性
21世紀は「優れたマネジメント」など求めていない。マネジメントするのではなく、子供の頃にあった人間の先天的な能力、すなわち「自己決定」の復活が必要なのである。自律性とは、選択をして行動することを意味する
社員は好きな時間に出社する。決まった時間帯にオフィスにいる必要はない。さらにオフィスに来る必要もない。ただ自分の仕事をやり遂げ結果を出せばよいのだ。
人は本来責任を果たすことを望んでいる。つまり課題や時間、方法、チームを確実に任せることが、目的に至る早道だと考える。大きな自律を与える会社は競合他社より高い業績を上げる。
2、マスタリー(熟達)
マスタリーとは、何か価値あることを上達させたいという欲求だ。マスタリーはマインドセット(心の持ち方次第)である。
マスタリーは苦痛である。長期目標を達成するためには忍耐力と情熱が必要だ。マスタリーは「漸近(ぜんきん)線だ」(だんだん
近づいていくけれども、なかなか近づかない)熟達とは熟練して上達すること。
3,目的
目的の追求は人間の本質である。人間は本質的に人生の意義や目的を探すものだ。自分以外のもの、社会などの利益に貢献する
永続的な目的を求める。マスタリーを目指す自律的な人々は非常に高い成果を上げる。だが高邁な「目的」のためにそれを実行
する人々は、さらに多くを達成できる。きわめて強く動機付けられた人々―当然ながら、生産性が非常に高く満足度も高い人々
は、自らの欲求を自分以外の「より大きな目的」に結びつけるものだ。この目的という新しい動機の兆候を、目標、言葉、指針
という組織における3つの領域で見て取ることができる。高い成果を上げる秘訣は、人の生理的欲求や、信賞必罰(功績があれば
必ず賞を与え、罪があれば必ず罰すること)による動機づけではなくー自らの人生を管理したい、自分の能力を広げて伸ばしたい、
目的を持って人を送りたいという人間に深く根ざした欲求である。