NO22 ウォルマート(2)

2015年11月12日

今回はウォルマートの経営理念について創業者のサム・ウォルトンが晩年に書き記した著書「私のウォルマート商法  すべて小さく考えよ」(講談社+α文庫)から見てみます。

サム・ウォルトンは1918年オクラホマ州に生まれミズリー大学を卒業後27歳、1945年に小売業界に入り1962年、44歳の時にウォルマートを創業、1992年、72歳で亡くなるまでの30年で世界一の企業をつくり上げています。

この本の冒頭サム・ウォルトンは次のように記しています

「何より私が伝えたいのはウォルマートの成功にとって、従業員の働きがいかに重要だったか、という点である。私の人生で特に際立った特徴を1つ上げるとしたら、それは競争に対する情熱であろう。この情熱が私を前進させ、絶えず次の店舗視察へ、次の町の出店へ、次の重点販売品目選びへと駆り立ててきた。今振り返ると、わが社の物語は、まさにアメリカを偉大にした伝統的価値を証明するものであることがわかる。それは企業家精神、リスクへの挑戦、勤勉などの価値を証明する物語であり、自分の理想を掲げ、そこに到達するために喜んで働くことの意義を伝える物語である。そしてこの本は、チャンスを与えられ、やる気を起こすよう励まされれば、ごく普通の人々でも非凡なことを成し遂げられることを示す物語であるーそれがウォルマートの物語なのだ」・・・ここにウォルマートの創業の精神が表れています。

ウォルマートの経営方針は次のようなものです(自伝では「成功のための10ヵ条」)そして「すべて小さく考えよ」です

1)自分の仕事にのめりこもう。その可能性をだれよりも信じよう。

2)すべての社員をパートナーとし、利益を分かちあおう。

3)パートナーのやる気を高めるために全力投球をしよう。

4)できるだけ知らせよう。

5)社員の行うことのすべてを高く評価しよう。

6)成功すれば喜ぼう。失敗しても、その中にユーモアを見出そう。

7)徹底的に社員や客の話を聞こう。

8)客の期待にこたえよう。

9)競争相手より上手に経費をコントロールしよう。

10)より上を目指し、他とはちがう道を行こう。

まさにウォルマートの成長は類まれなものであり、商業の歴史でもかってなかったことだと思います。それには創業者のサム・ウォルトンの「すべてはお客のために」「お客の期待を超える」そのために「パートナー(従業員、仕入先)の意欲・やる気を引き出す」そうしたことに情熱を燃やし挑戦し続けたからに他なりません。機会があれば是非サム・ウォルトンの著書「私のウォルマート商法 すべて小さく考えよ」(講談社+α文庫)をお読みいただければ幸いです。