NO 25 働く意味を考える

2016年2月29日

「働く」という意味を広辞苑で引きますと①うごく②精神が活動する③精出して仕事をする④他人のために奔走する⑤効果を表す、作用するなどが挙げられています。そして「労働」では①ほねおり働くこと、体力を使用して働くこと②人間がその生活に役立つように手・脚・頭などを働かせて自然質料を変換させる過程とあります。さらに「仕事」とは①する事、しなくてはならない事、特に職業、業務をさす②事をかまえてすることとあります。また働くとは「価値を生む」ことであり「傍(はた)を楽にする」という人もいます。一言で「働くとは仕事をすることであり、収入を得る事」となります。そして「会社や職場のニーズに応えて主体的に働く」ことが大事だと思います。

内閣府が定期的に実施している「勤労意識に関する調査」によると働く目的は次の3つです。

          ■ お金を得るため・・・・・・・・・・・・58%

       ■ 社会の一員として勤めを果たすため・・・24%

          ■ 自分の能力を発揮するため・・・・・・・15%

以上のことから人間は生活していくために働く必要があり、他方で労働という行為を通して自らの存在意義(アイデンティティー)を確立させるために必要不可欠な活動ということが出来ます。

またシュ―マッハーという経済学者によると「良い仕事」には次の3つの機能があるとしています。①人間すべてがそれなりの生活をするために必要である財とサービスを創出すること②自分の能力を活用し開発する機会を与えること③他人と同じ仕事に参加して、人間が生来もっている自己中心の傾向を克服できること。そして谷内篤博氏は「良い仕事とは仕事の内容如何によって決まるよりも、仕事への姿勢やスタンスによって決定される」という(出典:「働く意味とキャリア形成」谷内篤博著 勁草書房)

一方、古代インドに人間の誕生から死までの人生を4つの期間に分けた「四住期」という考え方があります。

    ■ 学生期・・・将来に備えて心身を鍛え勉学する時期 

    ■ 家住期・・・職業を持ち家族を育て暮らす時期

    ■ 林住期・・・その勤めを果たし自然に向き合い自身の人生を静かに見つめる時期 好きな事をする時期

    ■ 遊行期・・・安らかに死を迎える余生の時期

このことから私たちはそれぞれの人生のポジションを知り、そのポジションにあった生き方を決め人生の充実を図ることだと思います。私の人生は今、林住期にありますが、働き学ぶことを楽しみながら首尾よく年を重ね妻共々「日々充実」の人生を送っていきたいと思っています。