NO 28 オバマ大統領広島訪問

2016年5月29日

 既にご存知の方も多いと思いますがオバマ大統領が5月27日、被爆地広島を訪問、献花の後、17分間の演説をされました。私も広島平和記念公園に到着から帰路につかれるまでの一部始終をTVで見てオバマ大統領の考えや信念、人柄、勇気ある行動に触れ感動致しました。演説は「71年前の明るく晴れ渡った朝、空から死神が舞い降り、世界は一変した。閃光と炎の壁がこの街を破壊し、人類が自らを破滅に導く手段を手にしたことをはっきりと示した」という文学的な言葉で始まりました。演説の要旨は次の通りです。

                                                         

・犠牲となった日本人、朝鮮半島の人、米国人捕虜の死を悼むために広島に来た

・核兵器のない世界を目指すべきだ

・我々には(戦争の)苦しみをなくす共通の責任がある

・日米は戦後、同盟だけでなく友情もはぐくんできた

・広島と長崎が我々が道義的に進歩した証として思い出されるようにしなくてはいけない

・私が生きてる間には(核兵器なき世界を)達成できないかもしれないが、可能性を追い求めていきたい

平和記念公園に到着後、原爆資料館を見学され、展示を見ながら「心が動かされた」ともおっしゃったそうです。演説後の被爆者の方との会話や握手の様子からも我々TVを見ている者にも心の通った交流が伝わってきて「ほんとうに良かった」と思えたのです。帰路オバマ大統領は「広島に来られて本当に良かった」と口にされたそうです。

最初の被爆者の坪井さん(91歳)との会話で、『坪井さんが「大統領退任後も広島に来てください。核兵器のない世界に向けて、あなたと共に頑張ろうと思う」と伝えられるとオバマ大統領は笑みを浮かべながら「サンキュー」を繰り返しながら何度もうなずいた』と報道されていました。オバマ大統領は09年に日本に初めて訪日された時「在任中、被爆地に訪れることが出来れば光栄だ」ともおっしゃっており、日経新聞でも「今回の広島訪問の背景にはオバマ氏自らの信念と執念がある」とも伝えています。現実の世界と理想には大きなかい離がありますが(米ロを中心に世界8カ国が核兵器を保有、なかなか削減が進まない)今回のオバマ大統領の広島訪問は次につながる第一歩にはなったように思います。