6月7日の日経新聞5面の経済観測に『消費を支える「5つのエン」』という記事がありました。クレディセゾン社長林野宏氏の記事です。最近の消費の特徴をよくとらえています。
・クレジットカードを利用する買い物金額の割合は15%で増加傾向にある
・わが社のデーターでは2010年度に物販、非物販の比率がちょうど半々だった
15年度は46対54になった(非物販の比率が増加)
・飽和の時代なのでモノや所有に対するこだわりが薄れてシンプルな生活を志向している
・最近の特徴として10代、20代が他の世代に比べて国内外の旅行支出金額が
前年比20%前後の強い伸びとなっている
・百貨店でのカードの使い方を見るとレストランやデパ地下での利用が活発だ
・いろいろなデーターや世相などから分析してみると消費が活発なのは
『5つのエン』に分類される
・エンゲル係数:食に関する出費
・子供の教育支出:エンゼル
・スマホで遊ぶエンターテイメント
・ふるさと納税や親からの相続
・婚活や絆を強くしようとする縁故:旅行、レジャー
・5つのエンの中には日常生活への支出は抑え、何か特別な時間や機会では積極的に
消費しようとする姿がうかがえる。この傾向は続くだろう
・ボーナス一括払いが減り毎月の支払いが一定額になるようなリボ払いが急増している
・消費に力強さが欠けるのは現在の商品やサービスに消費者が飽きている。消費には動機と大義が必要だが
それに応える新しい商品やサービスを提供出来ていない。高度成長期の20世紀型ビジネスモデルで物事を
考えているから需要と供給にギャップができる
以上のように非物販比率が増え買いたいものがなかなか無いという状況が続いています。消費者に買いたいと思わせる魅力ある商品・サービスの提供に企業サイドでもう一段の努力が必要なのでしょう。特に「20世紀型ビジネスモデルで物事を考えているから需要と供給にギャップができる」という言葉に思わず息を呑みました。従来の発想や考え方を変えないといけないと