NO31 マーケティングとイノベ-ション

2016年7月31日

「マーケティングとイノベーション」という言葉を初めて使ったのはP・F・ドラッカーだと思います。ドラッカーは企業の目的は「顧客の創造」と定義しました。50年も前に読んだドラッカーの著書「現代の経営(野田一夫監修 ダイヤモンド社刊)」の中で「事業は顧客の創造を目的とするものである。そしていかなる事業も2つの基本的機能―すなわちマーケティングとイノベーション(革新)-を持っている」と定義しています。マーケティングとイノベーションについてNO29のブログでも取り上げましたがドラッカー著「マネジメント 基本と原則(エッセンシャル版 2001年発刊)」を見てみると納得できます。

・マーケティングは「顧客の欲求からスタートする」すなわち顧客の価値、欲求、期待、現実、状況、行動から

    スタートする「我々は何を売りたいか」ではなく「顧客は何を買いたいか」を問う。「我々の製品やサービ

    スにできることはこれである」ではなく「顧客が価値ありとし、必要とし、求めている満足はこれである」   

・マーケティングの理想は販売を不要にすることである マーケティングが目指すものは顧客を理解し、製品・

 サービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである (注)マーケティングは「顧客・市場の分析」

 からスタートすべきであると指摘しています またおのずから売れるとは「売れる仕組みづくり」とも言えます 

・マーケティングの目標は①既存の製品についての目標 ②既存製品の廃棄についての目標 ③既存の市場における

 新製品の目標 ④新市場についての目標 ⑤流通チャンネルについての目標 ⑥アフターサービスについての目標 

 ⑦信用供与についての目標である

・しかしこれらの目標は次の2つの意思決定の後でなければ設定できない。集中の目標と市場地位の目標である

・集中についての目標があって初めて「われわれの事業は何か」との問いに対する答えも 意味のある行動に変える

 ことが出来る。また市場地位についての目標は「最大」ではなく「最適」である

・イノベーションは顧客自身が気がついていない欲求を創り出して「新しい満足を生み出す」ことである イノベー

 ションの結果もたらされのは、よりよい製品、より多くの便利さ、より大きな欲求の満足である

・いかなる企業にも3種類のイノベーションがある ①製品とサービスにおけるイノベーション ②市場におけるイノベーションと

 消費者の行動や価値観におけるイノベーション ③製品を市場にもっていくまでのイノベーションである

アイフォンなどはiPadと携帯電話とインターネット端末を結び付けた①のイノベーションでしょうし宅急便は③のイノベーションと

言えると思います  今我々企業にとってもマーケティングとイノベーションについて見直す必要があるのではないでしょうか