生産性水準が欧米に比べて50%程度低いことが37号で紹介《時間当たり労働生産性:日本(42ドル、4400円)に対して欧米(65ドル、6800円)》しましたが、この生産性向上策には6つあると言われています(出典:中堅中小企業の生産性向上戦略 関西生産性本部編 著者金井一頼氏他 清文社)自社にあった生産性向上策を実践して生産性を高めたいものです。
1 新しい製品やサービスの開発による生産性向上
顧客価値を向上させる新製品・新サービスの開発は確かに新たな付加価値向上、生産性向上につながる
と思います。それには顧客密着によって新たなニーズや顧客の困っている問題を解決する事によって新
たな顧客価値提案、創造が可能です。
2 プロセス・イノベーションによる生産性向上
マイケル・ポーターが明らかにした価値連鎖(購買→製造→出荷→販売・マーケティング→サービス)のプロ
セスをイノベーションすることで生産性を向上させる方法で近年はICT(情報通信技術)を活用する
ことによって価値連鎖をイノベーションする企業が増えており、中小企業庁(2008年)の調査によ
ると労働生産性が高い企業ほど電子商取引を実施しているようです。
3 組織イノベーションによる生産性向上
近年の組織イノベーションの顕著な特徴は企業のネットワーク化です。特に資源的に劣位な中堅・中小
企業にとってネットワーク構築を通じて独自能力を磨き上げ、他の資源を融合することで生産性向上を
図ることが可能となっています。また新事業創造を社内ベンチャーで行うことも含みます。
4 人事のイノベーションによる生産性向上
人事のイノベーションとは人的資源の能力を高めたり、HRM(ヒューマンリソースマネジメント:人的資源管理:人
材の獲得、活用、育成、管理などを中長期的視点から戦略的に人材育成を行っていこうとする考え方)
を通じて生産性を高める方法です。「働き方改革」も含みます。
5 戦略のイノベーションによる生産性向上
戦略イノベーションとは「ドメインの転換」「成長戦略の変更」「新たな競争戦略」「グローバル戦
略」などがあります。また中小企業庁(2008年)の調査によると海外展開企業の方が非海外展開
企業よりも生産性が高いと言われています。
6 ビジネスモデル・イノベーションによる生産性向上
近年、顧客価値を創造するビジネスモデル・イノベーションが注目(アスクル、楽天、ユニクロ、ア
マゾン、サウスウエスト航空)されていますが基本は新たな顧客価値創造提案型のビジネスモデルと
言われています。