NO40 倒産に学ぶ

2017年4月28日

   最近「あの会社はこうして潰れた」という本を読みました(帝国データーバンク情報部 藤森徹著 日経プレミアムシリーズ 2017年4月発売の新刊)

第一線の調査マンが書いたものだけに多くの倒産事例が紹介されており学ぶところが多くあります。20~30年前の年間倒産件数は1万件くらいと記憶していましたが2009年12月に「中小企業金融円滑化法」が施行、銀行から借金返済の猶予を受けた約40万社の企業が延命されているそうです。そのため2016年の企業倒産は8164社と減少、「無倒産時代」とも言われています。しかし現実は身近なところで倒産は起こっています。

倒産の主な原因は「本業不振」が80%、「放漫経営」や「経営計画の失敗」等が多く占めます。いずれの場合も赤字経営、債務超過が続くと倒産の危機に直面します

さらに別の側面から倒産を掘り下げてみると以下のようなことがあります。

  ・産業構造の変化

  ・高齢化による人手不足

  ・事業継承の失敗、跡継ぎの背任

  ・為替の変動

  ・赤字経営を隠ぺいする不正会計、不正取引

  ・取引先企業の倒産から貸倒れによる収益悪化、不良債権による連鎖倒産

  ・本業以外の野放図な事業展開や無謀な投資、金融取引

  ・ガバナンス・リスク管理の欠落 既存事業とのバランス、顧客への説明責任不足

また老舗と言われる「業歴100年企業」の特徴というところで(P127)1つ目が事業継承(社長交代)の重要性、2つ目に取引先との友好な関係、3つ目が「耳の痛い話ができる」番頭の存在を上げています。そして老舗企業にとって大事なことは「本業一筋」「身の丈経営」の継続と経営者の「会社の存続と成長にこだわる執念」なのでしょう

最後にこの本の中で、これは重要だなと思ったことは経営者の「情報力」です。それは業界、同業者、経済などの外部情報もありますが、「内部情報」を集め分析する能力。「悪い情報や苦言を呈し体を張って止める者に耳を貸す、これができなくなることがワンマン経営者の陥りやすいワナ」と指摘しています。心すべきだと思います。是非一読下さい。