NO47 長期的競争優位の幻想

2017年12月27日

 コンサルとして4年、企業の栄枯盛衰・消長はどうして起こるのか、何故今まで業績が良かったのに業績不振に陥るのか考えてみました。

ここにある資料の一部を紹介します。

それは慶応義塾大学大学院教授磯辺剛彦氏の1995-2000年調査(500社)ですが「長期的競争優位の幻想」という資料です

 1 調査対象企業の500社の87%が「過去成長がストップした経験」がある 「成長を続けている企業」は

           13%しかない

 2 その後成長がストップした経験を持つ企業の10年後、「上昇基調にあるのは46%」「横ばいまたはマイ

             ナス成長 にとどまっている企業が54%」もある

 3 さらにその後「横ばいまたはマイナス成長にとどまっている企業」の67%が「消滅」している 「上昇基

   調」に転じた企業は7%に止まっている 残り26%は「横ばいまたはマイナス成長」が続いている

経営は生き物です。ある大手の税理士さんに聞いたところ「創業して3年、業績不振に陥っている企業は70%を

占めます」と。それほど経営を維持し発展させることは大変なことなのです。

経営は3つの要素から成り立っています。

 1 企業の方向づけ(戦略)

 2 資源の最適配分 新たな投資の有無

 3 人を活かし動かすこと

「企業を存続し儲ける」ことは誰しも考えることですが現状のやり方だけで「長期的競争優位」を確保し「業績向上」を図ることは出来ません。「幻想」なのです。「市場の変化」「顧客ニーズの変化」「新たな競争相手の台頭」があるからです。常に変化に対して経営改革や製品開発、市場(顧客)開発が必要なのです。「儲かっていない企業」「業績低迷の企業」に共通するのは「トップの危機感の欠如」「あきらめ」というケースもありますが具体的には①市場や顧客、競合の変化に鈍感、熱心に情報収集をしていない②上にあげた経営の3要素が機能していない③方針や計画はあるが実行しやり遂げていないことです。トップに限らず管理者各層が社員と一体になってやり遂げる文化、風土を醸成し企業の発展に向かっていかなければなりません。まずは、ここぞという分野、顧客層、方策を絞りターゲットを定めて「一点突破」全力で行動を起こし風穴を開けることです。事態は必ず開けてきます。