世界的経営思想家P,F,ドラッカーが1980年「乱気流の時代の経営」で企業が生き延びるために必要なことは4つあると指摘しています(出典:「乱気流の時代の経営」邦訳は1996年上田惇生訳ダイヤモンド社/「われわれはいかに働き、どう生きるべきか」P,F,ドラッカー述、上田惇生訳ダイヤモンド社2017年発行)
・第一に、資源を機会に集中すること
・第二に、資源の生産性を上げること
・第三に、成長をマネジメントすること
・第四に、人の育成に注力すること
<資源を成長に集中する>
真に重要なものに集中しなければなりません。機会を追求するために脂肪をそぎ落とし昨日を捨てるのです。
したがって第一に必要なことは自らの貴重な資源を機会に集中することです。
<資源の生産性を上げる>
第二に必要なことは資源の生産性を上げることです。あらゆる資源の生産性が危機的な状況にあります。
需要サイドにおいてエネルギー、環境、都市開発、輸送、農業など眼前にある機会のすべてが資本集約的です。
他方供給サイドでも先進国では人口構造の変化を受けて資本形成が低迷、資金の供給が不足します。したがって
早急に資源の生産性を上げなければなりません。資金の生産性、時間の生産性(労働生産性)を上げることです。
<成長をマネジメントする>
主要資源の生産性を下げる成長は不健全であり、生産性を上げる成長は健全です。あらゆる製品、
あらゆる活動、あらゆる事業について健全な成長か否かを点検し健全な成長を図らなければなりません。
<人の成長に注力する>
現代は組織からなる「組織の時代」です。それら組織のすべてが経営者やマネージャによってマネジメントされているのです。
社会の行方が、明日を見通し、計画し、組織し、資源を配賦し、目標を設定し成果を評価し、そして何よりもリードしマネ
ジメントし人を配置し、やる気を起こさせ、育成することを知っている経営者やマネージャたちに依存しているからです。
乱気流の時代にあって経営者やマネージャの姿勢、能力にかかっています。人を育成し責任ある地位に就ける、また彼らを
生産的な存在に高めることこそが最大のチャレンジです。
乱気流の時代の経営はドラッカーが言うようにこの4つのことをひたぶるに取り組む企業が生き残っていくことでしょう。