最近、ビジネス・ブレークスルー大学学長大前研一氏編「営業学」という著書を読みました(2011年発行)「営業プロフェッショナルのための本」というコンセプトで今までの営業本とは一味違う内容です。40年程前マーケティングや経営について学び始めた頃に大前研一氏の「マッキンゼー現代の経営戦略」その後の「企業参謀」を読んで、理論の先進性やフレームワークの多さに特別の驚きを覚えたものです。
「営業学」のポイントは次のとおりです。
・営業は「プロフェショナル」を目指せ。そしてプロフェッショナルとアマチュアを分けるものは「顧客主義」であ
り、これは高い専門性や倫理観などの要件にもまして重要であると、その意味で、ほとんど の日本企業の営業は、
まだまだアマチュアの域を脱していません。営業は「業者」から「パートナー」に進化せよ!
・顧客主義に徹することは、顧客のビジネスに価値を提供することであり、それは、顧客が抱えている問題のみなら
ず、顧客が気づいていない問題を解決することで実現する。それには、「こんなサービスがほしい」「あんな機能
はいらない」といった顧客ニーズをはじめ、顧客の内部情報、顧客の顧客(多くはエンドユーザー)に関する情
報,ライバルや市場の動向などを把握しなければなりません。
・製品の販売ではなく、サービスと組み合わせたソリューション営業が主流です
・SFA(セールス・フォース・オートメーション:IT活用システム)の真価は営業プロセスの改善と知識の共有にあ
り、営業効率向上に有用です
・営業プロフェショナルにおいて身につけるべき基本スキル
・マーケティングリテラシー(マーケティングに関する体系的な知識)
・ロジカル・コミュニケーション(論理的に考え、伝達する力)
・「あなたの顧客は営業に何を求めているか」について、あるコンサルティング会社が聞き取ったところ第1位は
「社交性とコミュニケーション」で「専門知識と問題解決力」「顧客企業が属する業界に関する知識」でした
・営業プロフェショナル化はまさしくフロンティアであり時間とエネルギーを傾けるに値する挑戦です
この他、問題解決営業、営業のマーケティング・マインド、営業のセルフ・マネジメント力、営業チーム力の向上
などのテーマで営業学が展開されており一読の価値があります。