NO 64 大廃業時代

2019年10月12日

 この10月8日NHKスペシャルで「大廃業時代」というTV番組があり年間4万件の廃業があるという大変な時代に突入することに驚きました。また日本経済新聞でも10月6日、10月10日と大廃業時代に関する記事が載っていました。

経済産業省によると中小企業の経営者の年齢層は年々高齢化しており、2020年頃には数万の団塊経営者の大量引退が到来するというのです(この20年間で経営者年齢の分布の山は47歳から66歳に移動、経営者の高齢化が進行)

60歳以上の経営者のうち50%超が廃業を予定しており、特に個人事業者の7割が「自分の代で事業をやめるつもり」と考えているそうです。

廃業予定企業の理由(n=1929;イロリオ調査)は①当初から自分の代でやめる予定:40%、②事業に将来性がない:30%③後継者がいない:30%となっています。

まさに2020~2025年は大廃業時代となるようです。 現在中小企業の数は360万社(中小企業庁:2016年時点、但し10年前の2006年では420万社でその後減少傾向、)ですが2025年までにその1/4が廃業、65万人の雇用と22兆円の売り上げが減少するそうです。大変な数の廃業が見込まれています。

企業数減少は「需要の不足」「競争の激化」「経営者の高齢化」などの原因があります。経営で大事なことは「経営上の問題に有効に対応する」ことなのです

帝国データーバンクによると後継者不在率が最も高いのはサービス業(71,3%)ついで建設業(70%)不動産業(68,9%)となっています。

日本の開廃業率は欧米に比べて低水準と言われています。特に廃業率は米国が10%(11年)、英国が12,2%(17年)、日本は同3,5%に止まってきました。東京商工リサーチによりますと2018年の国内倒産件数は8235件、それに対して休廃業・解散件数は4万6724社と年々増加にあるようです。

また19年版の中小企業白書によりますと16年度の35%の中小企業が営業赤字で3割超が債務超過に陥っているそうです。逆に言えば65%は黒字経営なのです。

「前向きな廃業」とは、赤字が続いても債務超過に陥る前ならば、事業再生など様々な手が打てます。債務超過前に買い手を探すなど早期対策で売却、廃業を進めたいものです。