「ニッチの分野を攻め、そこでナンバーワンになる」
これはすべての中小企業の生きる道だと思っています。例えば旅行業界でしたら断然トップはJTB、その他の大手と言えば日本旅行、阪急交通社、
近畿ツーリスト等が多い中で、規模の小さな企業が生き残っていくにどうしたらいいのでしょうか?
それはやっぱりニッチな分野でナンバーワンになることです。1つの例がエイチ・アイ・エスです。(株)エイチ・アイ・エスは1980年に設立、
設立して5~6年目くらいで会社がぐらついた時期があったそうです。そこできちんと組織を作り会社の目標を立てみんなでその方向に進むように
したことです。組織作りと共に事業を少しずつ広げています。はじめは旅行好きを相手に一般には知られていないニッチなツアーの企画をしたそう
です。人気だったのは中国ツアーだったそうです。当時は観光で中国に入るのが難しかった時代です。でも実は香港ではビザがとれたのです。香港
までの往復航空券と香港のホテル宿泊をセットして売り出し大ヒットしたそうです。また今ほど人気の観光地でなかったバリ島に目をつけバリ島で
ナンバーワンになるよう、徹底的にプロモーションをかけ売り出し実際にナンバーワンになったそうです。その後タイなど他のアジア諸国にも広げ
ニッチを攻めてナンバーワンになっていったのです。90年代後半には大手旅行会社も安いツアーを販売してきました。エイチ・アイ・エスも影響を
受けるかと思ったそうですが大丈夫だったそうです。大手は法人・団体客には強いのですが個人旅行にはあまり得意ではなかったようです。たくさん
売れば航空券もホテルの仕入れも有利です。今や資本金110億円、年商8000億円、従業員14000人の堂々たる一部上場企業の旅行会社大手
です。澤田社長は『エイチ・アイ・エスがここまで成長できたのは、ニッチな分野でナンバーワンを目指して、前例がなくても挑戦してきたからなの
でしょう。「オンリーワン」と「ナンバーワン」が、勝つためには大切なのです』とおしゃっています。(参考:日経ビジネス2020、1,20号)