NO101 稲盛和夫さん

2022年9月11日

 京セラ創業者で名誉会長の稲盛和夫さんがこの8月90歳でお亡くなりになりました。

稲盛さんは京セラを1959年、わずか8人で創業されて以来、

「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」という経営理念のもと、世界的な電子部品

大手に育て上げられました。今では売上高は1兆7000億円 税前利益は10%以上、時価総額2兆5000億円、従業員は80000

人の企業です。また「稲盛塾」や「アメーバー経営」でも有名で稲盛さんはKDDIの立ち上げや日本航空の再建などに取り組まれてきまし

た。カリスマ経営者の数々の言葉を紹介します。(参考:日経産業新聞2022,9,2日号、日経ビジネス2022,9,12号)

「土俵の真ん中で相撲を取る」 納期を例にとると納期の何日か前に完成日を設ける。そうすればトラブルが発生しても土俵際までに

 余裕があり十分な対応がとれる。

「動機善なりや、私心なかりしか」1984年、稲盛氏は第二電電(KDDI)の準備会社を設立、通信自由化に伴う新規参入に真っ先に

 名乗りを上げた。通信業界に競争環境を生み出し、国際的に割高だった日本の長距離電話料金を少しでも引き下げたいとの思いがあ

 ったからだ。通信自由化を受け独占企業だったNTTに挑戦。それでも6か月の間、毎晩ベッドに入る前に動機に私心がないかを自問自

 答したという。この真摯な姿勢が牛尾治朗ウシオ電機会長や飯田亮セコム会長などから事業の賛同を得て事業が大きく進展した。

「利他の心で判断する」日本がバブル経済のまっただ中、米電子部品大手のAVXを買収した。買収局面でAVXは「株式の評価を上げて

 ほしい」と提案した。京セラの現地法人社長らは反対したが稲盛氏は受け入れた。AVXとの友好関係は買収後も変わらず、その後

 業績が急上昇した。一見不利と思える交渉でも友好、信頼関係が築かれ、結果的に成功することもあると示した。

「人のため、世のために役立つことをなすことが、人間として最高の行為である」象徴的なのは経営破綻したJALの会長を引き受けた

 ことだ。航空業界は門外漢だったにもかかわらず、あえて火中の栗を拾う道を選ばれた。そして見事に復活させた。また私財を投じ

 て科学者や芸術家を表彰する「京都賞」を創設したのも、この考えに基づいている。

「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」能力は多分に先天的なものだが熱意を持って努力すれば補うことができる

「全員参加で経営する」「ど真剣に生きる」など多くの言葉を残されています。