ソリューション営業という言葉は昔からありますが、うまくいっている会社は少ないようです。製品中心から製品の組み合わせ中心の考えに変えたぐらいです。
本来のソリューション営業とは、お客様との対話を通して、お客様が抱えている問題やニーズをつかみ取り、その問題の解決策(solution)を提供する営業スタイルです。顧客の課題を中心に考え、ストーリーを語ることです。根本的な問題は需要を生み出せていない点にあります。欲しいと顧客がわかっている製品であれば顧客はネットを検索します。営業はいりません。製品・サービスがもたらす便益に顧客の共感と共鳴が得られる場合に需要が創造されます。
アイリスオーヤマは法人向けにサービス・ロボットで需要を創造している。人手不足問題を抱える外食産業向けにAI(人工知能)除菌清掃ロボットと配膳運搬ロボットの展開を進めており、特に配膳作業で強い需要を創造しています。こうした例は顧客との間に共感と共鳴ができる関係性を作っていること、そして顧客の声に基づき、早期に市場投入し改善ループを高速で回しながら顧客とともに価値を共創しています。
こうした組織は製品を提供するのではなく「コト(サービスなど無形なもの)×モノ(製品)」で需要創造をする組織としてデザインされています。
製品中心の事業では製品性能が重要であり売り切り型だったがコト×モノによる需要創造のモデルでは、顧客理解に価値の源泉がありデーターを蓄積しながら課題解決のノウハウを蓄積していく。事業の価値は、データーの蓄積とともにそのノウハウが向上し価値が向上していくこととなります。顧客との関係性はより継続的になります。(参照2022,10,17日経産業新聞:戦略フォーサイト営業再構築/野村総合研究所フェロー青嶋稔)