2019年10月

NO65 伸びる会社、沈む会社

2019年10月18日 金曜日

 業績不振の会社に共通していることは「事業、商品サービスが変わらない」「顧客が少ない」「売上が伸びない」「経営課題に確実に手が打てていない」

ことが業績低迷の原因です。今回取り上げるのは経営コンサルタント小宮一慶の著書「伸びる会社、沈む会社の見分け方、48のチェックポイント」(PHP

ビジネス新書:2019年10月発刊)です。下記は私が選んだ代表的な16項目です。会社を見分けるポイントは「ヒト」「モノ」「カネ」の動きです。

          ◎

         ×

1 ユーザー目線で見分ける

・業界全体の課題を解決する会社は飛躍的に伸びる

・そんなの無理と考えてしまう会社は沈む

・クレームに「対応」する会社は伸びる

・クレームを「処理」しようとする会社は沈む

・お待たせしない意識が徹底している会社は伸びる

・待たせて平気な会社は「お客様愛」がない

・良い商品やサービスこそが最高の営業力

・新規開拓営業が得意な会社はダメな会社

2 社員の姿勢や社風で見分ける

・1人ひとりが会社全体のことを考えている会社は

    強い

・会社全体のことに無関心な社員が多いと危ない

・ワクワクする中間目標がある会社は伸びる

・売上、利益の数字目標ばかりの会社はしんどい

・伸びている会社は計画をどんどん見直す

・ダメな会社は計画だからと変えない

・成長している会社では会議で多くの人が話す

・停滞している会社の会議はリーダーの独演会

・お客さま第一、理念の共有、働く楽しさが揃っ

    ていれば◎

・社員が楽しく働けているかどうかに言葉を濁す

    会社は要注意

3 経営者の姿勢で見分ける

・成功する社長はみんなせっかちである

・社長室にこもる社長は自社の方向付けをあやまる

・10年後から会社を見ている社長は失敗しない

・目の前のことしか考えていない社長が一番危ない

・社内に新風を吹き込み、波風を立てる社長は見ど

   ころあり

・変化を嫌う社長、会社はできない社員には居心

 地は良くても×

・できる社長は我慢して聞くことができる

・ダメな社長ほど、1人でしゃべりまくる

4 財務諸表で見分ける

・稼ぐことと同じくらい使い方を考えている会社は伸びる

・稼ぐことがすべてと考えている会社は沈む

・人にお金をかける会社は必ず伸びる

・従業員を大切にすると言いながら給料が低い会社は

   沈む

・危機時に借金してでも手元流動性を高める会社は

    安心

・危機時自己資本比率にこだわって借金しない会社は

   心配

NO 64 大廃業時代

2019年10月12日 土曜日

 この10月8日NHKスペシャルで「大廃業時代」というTV番組があり年間4万件の廃業があるという大変な時代に突入することに驚きました。また日本経済新聞でも10月6日、10月10日と大廃業時代に関する記事が載っていました。

経済産業省によると中小企業の経営者の年齢層は年々高齢化しており、2020年頃には数万の団塊経営者の大量引退が到来するというのです(この20年間で経営者年齢の分布の山は47歳から66歳に移動、経営者の高齢化が進行)

60歳以上の経営者のうち50%超が廃業を予定しており、特に個人事業者の7割が「自分の代で事業をやめるつもり」と考えているそうです。

廃業予定企業の理由(n=1929;イロリオ調査)は①当初から自分の代でやめる予定:40%、②事業に将来性がない:30%③後継者がいない:30%となっています。

まさに2020~2025年は大廃業時代となるようです。 現在中小企業の数は360万社(中小企業庁:2016年時点、但し10年前の2006年では420万社でその後減少傾向、)ですが2025年までにその1/4が廃業、65万人の雇用と22兆円の売り上げが減少するそうです。大変な数の廃業が見込まれています。

企業数減少は「需要の不足」「競争の激化」「経営者の高齢化」などの原因があります。経営で大事なことは「経営上の問題に有効に対応する」ことなのです

帝国データーバンクによると後継者不在率が最も高いのはサービス業(71,3%)ついで建設業(70%)不動産業(68,9%)となっています。

日本の開廃業率は欧米に比べて低水準と言われています。特に廃業率は米国が10%(11年)、英国が12,2%(17年)、日本は同3,5%に止まってきました。東京商工リサーチによりますと2018年の国内倒産件数は8235件、それに対して休廃業・解散件数は4万6724社と年々増加にあるようです。

また19年版の中小企業白書によりますと16年度の35%の中小企業が営業赤字で3割超が債務超過に陥っているそうです。逆に言えば65%は黒字経営なのです。

「前向きな廃業」とは、赤字が続いても債務超過に陥る前ならば、事業再生など様々な手が打てます。債務超過前に買い手を探すなど早期対策で売却、廃業を進めたいものです。

NO63 グレタさん

2019年10月1日 火曜日

NO 63 グレタさん

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 この9月23日、アメリカ・ニューヨークで開かれた国連の気候行動サミット(90か国参加)でスウェーデンの環境活動家グレタ・トウーンベリさん16歳が地球温暖化を食い止め警鐘を鳴らす目的でスピーチをしました(国連からの招待)「科学者の声を聞き科学に基づいて団結して行動して欲しい」「人々は苦しみ、死にかけ生態系は崩壊しようとしています。わたしたちは今、大絶滅の始まりにいます」「あなたたちは裏切っています。わたしたちは許しません」「10年で二酸化炭素排出量を半減したとしても、気温上昇を1,5℃に抑える確率は50%しかない」「それなのにあなたたちが話すのはお金や永続的な経済成長というおとぎ話だけ」「世界の首脳は環境問題に取り組んでいません」(要旨:NHK NEWS WEB 9月28日)「How dare you(よくも そんなこと言えるわね!)」と涙ながらに叫んだそうです。ただ二酸化炭素による地球温暖化説は仮説の域を出ていないとの反論もあります。しかし今や中国、アメリカが最大の二酸化炭素排出国で、多くの国が石油、天然ガス、石炭など化石燃料をエネルギー源として大量に使用してきました。太陽光や風力、地熱など自然エネルギーの活用、拡大に力を注ぎ便利の追求を見直す必要があります。

産業革命以降の化石燃料の大量消費が温暖化をもたらしたのはほぼ確実でしょう。人間が生み出した気候の変化は人の手でブレーキをかけなくては止まりません。温暖化の進行を止めることが最優先です。

またグレタ・トゥーンベリさんは「ライト・ライブリフッド賞」を受賞しました。人権問題や環境保護などに貢献した人に贈られるスウェーデンのライト・ライブリフッド賞の運営財団は9月25日、環境活動家の高校生・グレタさんを受賞者の一人に選んだと発表しました。「科学的事実をもとに緊迫した気候変動への対策を求める人々の声を高めたことが理由」としています。この賞は「もう一つのノーベル平和賞」と呼ばれています。

最近の世界を巡る地球温暖化の現象は豪雨、洪水、海面上昇、旱魃などから地球温暖化をはじめ酸性雨、オゾン層破壊など地球環境は目に見えて悪化しています。グレタさんの警鐘に耳を傾け行動を起こさなければいけないでしょう。