2019年11月

NO 67 育成上手の教え方

2019年11月13日 水曜日

 育成上手な人はどのような教え方をしているのか調査されてきた甲南大学教授尾形真美哉さんの記事で(2019年10月25日 生産性新聞)よく

 まとめられていますので紹介します。

1その仕事をやる理由や根拠、思想まで遡り(さかのぼり)説明してくれる。

  なぜその仕事をやらなければならないのか。その仕事が職場や会社にどのような意味があるのかをしっかり説明することで被育成者の仕事に

  取り組む意識や姿勢も変わり、成長につながります。

2説明が丁寧、分かり易い、適切である。

  説明が分かり易いことが育成上手の条件でしょう。

3手本・見本を示す。

  育成上手は、単に言葉で説明するだけではなく、自分自身で実際に見本や手本を示すことで視覚化し、理解し易くしています。

4実際に自分がやってみて、それを実践させ「経験や失敗から学ばせる」ことです。

  成長していく上で最も重要な要素は「経験」です。苦境や修羅場ほどの経験でなくとも被育成者が少し背伸びしなければ達成

  できないような経験や失敗経験を積ませることは個人の成長には有意義です。とりわけ失敗から学ばせることは効果的です。

  失敗が最も人の内省を促すからです。育成上手は失敗の許容範囲を見極めることができるからです。この能力は育成上手の

  条件と言えるでしょう

5自分で考えさせることです。

  それには2つあります。まず「仕事のやり方や進め方を自分で考えて取り組ませること」と「なぜそのような結果になったのか、

  その結果について自分で考えさせること(内省)」です。先の経験や失敗を積ませるだけでは不十分で、しっかりと自分の頭で

  考えさせることが重要になります。

6フィードバックを怠らないことです。

  育成上手は適宜フィードバックを怠りません。失敗の許容範囲を越えさせない効果と常に支えられている安心感にもつながります。

7褒めることです。

  良い結果を出した場合は、その努力と成果を承認しほめてあげることは重要です。

  結果が悪かったとしても、その過程での努力は承認すべきです。一方で育成には厳しさは不可欠です。育成における厳しさとは

  強制的厳しさではなく、「仕事に妥協しない厳しさ」と「部下の更なる成長を期待する厳しさ」です。

最後に上記7つの指導方法が効果的になるのは両者の信頼関係が構築されている時です。「信頼関係」を構築するためには「育成者自身が

仕事に妥協せず取り組むこと」と「被育成者とのコミュニケーション」の2つが重要です          

 

NO 66 若手社員を育てるコツ

2019年11月11日 月曜日

 「忙しくても若手社員を育てるコツ」というタイトルで永年人材研修を手掛けられている講師ビジョン

 社長の島村公俊氏の記事を取り上げます(2019年11月8日 日経産業新聞)

 ・全体像が把握できていないまま、個々の手順を覚えるのは若手に限らず難しい

 ・過去に「とりあえずやって見ろ」と言われて育った世代ほど、この点に気付かないことが多い

 ・仕事の見せ方にもコツがある。「先に仕事の全体像を伝えること。その上で、プロセス

  のどの部分に着目すべきかを示すとよい」

 ・例えば接客販売には5つのステップがある。「声がけ」「顧客ニーズの把握」「プレゼン

  テーション」「クロージング」「アフターフォロー」といった具合だ。

 ・「今日はニーズの把握に重点を置く」「こちらの質問に相手がどう答えたか、しっかりメ

  モを取ってほしい」などと具体的に指示を出しておくとよいだろう

 ・教える側も忙しく丁寧に指導している暇がありません。しかし「今の若手の教育に力を

  入れるか、後回しにするか。長期的にどちらが会社のためになるかは明らかだろう」

 ・大事なことは後輩から見て、報告しづらい先輩になっていないか。十分な意思疎通が出

  来ていないとトラブルの元になる。日頃のコミュニケーションと月に数度の面談が大事だ。

 ・指導する側の負荷は高まるが工夫次第で状況は変えられる。若手の教育を「点から面に

  広げる」ことを勧めたい。自分ひとりの点でなく周囲のメンバーを巻き込んで面を広げ

  るやり方だ。若手を同僚に紹介するだけで、互いに接点ができ同僚が助言をしてくれる

 ・自分からどう動けばいいかを考え始めたら一歩前進だ

 ・中途入社の若者をどう育てるか。十分な配慮が必要だ。知識や経験も不足、前の職場と

  の文化や慣習の違いもある。「なぜできないのか」とプレッシャーをかけるのは危険だ。

 ・企業は資金のある時こそ社内教育の仕組みに投資してほしい。いざ業績が悪化したとき、

  そこで育てた人材や仕組みこそが最大の武器になるのだから。

以上が要点です。参考にしてみて下さい。