NO 5 顧客価値創造経営

2014年8月22日

 現実の経営において業績が毎期好調という企業はそう多くはありません。この半年、30社ほどのお客様訪問をしましたが「やっとリーマンショックの前に戻った」「しかしピーク時の売上時に比べると、そこまではいっていない」というのが大半です。日本の70%の企業は赤字です。収益にしても10年前に比べて「業績が着実に伸びているか?」と言われれば、そうでない企業が90%を超えているのが現実です。しかし、そんな中で着実に業績を伸ばされているお客様が3社ありました。特徴は「新しい商材を増やし攻めの提案営業」「品質納期で絶大な信頼/海外顧客から支持」「アマゾン並の物流システム」などです

「業績低迷」「現状維持」が日本の現実なのです。もちろん住宅関連、自動車関連、太陽光などエネルギー関連、福祉や医療関連、公共投資関連などこの1年、勢いのある分野もありますが日本全体でみれば決して良くないのが実態です。こうした現実を突破するのは「顧客価値創造経営」だと思います。

どの業界も総需要が減っています。総需要が減れば競争が激化します。その中で従来の商品・販売方法で商売しているところは売上が減ります。最近驚いた新聞記事にローソンが2015年コンビニにケアマネを配置するなどして介護支援に乗り出すというのです(日経、8月16日)。こうしたことは今に始まったことではありませんが身近なところで凄まじい勢いで変化と競争、新規参入が起こっています。従来守られていた秩序が音を立てて崩れています。生産財の分野でも表面だけではわかりませんが底流では上位1~3位間競争、強者と弱者のすさまじい戦いが続いています。

こうした現実を突破するのは「顧客価値創造経営」が必要だと思います。顧客価値創造経営とは一言でいえば「お客さにとって価値ある商品・サービスを開発し提供し続ける経営」と言えます。

有名な戦略的経営システムである「バランス・スコアカード」に従えば

1 財務の視点「利益創出」「業績向上」には顧客の視点で「顧客の満足」「顧客を創造」することであり

2 それには業務プロセスの視点である「顧客価値創造(競争に勝ち残れる独自の強みの発揮:競合との差別化・

         仕組みの構築・トータルリード  タイムの短縮)」によって達成できる

3 そのためには社員の学習と成長の視点「意識改革と共感・実行」「改革・チャレンジングな自律創造人材の

        育成」が必須という流れになります。

この一連の流れを正しく評価尺度を用いて経営を革新し「顧客創造」「利益創出」に結びつける経営システムが

バランス・スコアカードです。そして最も中心になるのが「顧客価値創造」です。

カンブリア宮殿で紹介される成功企業に共通するのは明快な理念やビジョンを持ち「人材育成に熱心」「イキイキとした職場作り」を実現していることです。そしてもう一つは売ることに熱心という従来の構図を突き抜けて絶えざる顧客ニーズの汲み取りに熱心であり、そのニーズを先取りすべく経営が社員と一体になってお客様にとって良い商品・良いサービスを追求し続け、そのプロセス・提供を丹念に実行し成果を上げている事です。

この一連の経営のことを「顧客価値創造経営」と考えています。

NO4 ジェトロの新興国進出支援専門家に助けられる

2014年8月1日

 お客様訪問した折、あるトップの方から「インドネシアに進出を検討しているんですが、誰か現地に詳しい人を知りませんか!」と尋ねられました。とっさに「はい! あたってみます」と答えたものの前職ルートを辿って紹介できる人がすぐには思い浮かばない事から、私が加入している経営者団体の事務局責任者に相談したところ、その場で関西大手電機メーカーの元インドネシアで10年間、現地会社の経営(COO:モノづくり/販売の責任者)を経験、インドネシア事情に詳しく、退職後ジェトロの新興国進出支援専門家として活躍されている方を紹介いただきました。さっそく電話で事情を説明すると、すぐにそのトップのところに直接電話をしていただき、後日対応していただいたのです。

今回は新興国進出支援専門家のフットワークの良さに大変助けられました。

またタイに10年以上現地駐在責任者であったジェトロの支援専門家の方も紹介いただきました。ジェトロは今、政府の後押しもあり中堅・中小企業に対して手厚い新興国進出個別支援を強力に行っています。ありがたいことです。

20年以上続いた日本経済の停滞とデフレを脱却して再び成長していくためには今後日本の成長を牽引する産業(健康・医療、インフラ産業、農業・食文化)への投資育成、市場が縮小している国内製造業やサービス業も再びグローバルな事業展開が必要です。GDPに占める輸出、輸入の合計の比率である貿易依存度を見ましても日本はGDP比30%前後で世界の中でも下位に甘んじており決して高くはありません。

一方、日本の大問題は少子高齢化と1000兆円という莫大な財政赤字です。それには日本の強み、企業の強みを生かして海外で経済のパイを大きくして付加価値を増やすか労働生産性《日本の労働生産性(一人当たり付加価値)はこの20年横ばい》をもっと上げて稼ぐ力(収益力)の底上げが必要です。

今こそ永く横ばい・低成長が続いた日本の現状、企業の現状に強い危機感を持ち経営者に限らず、すべてのビジネスに携わる人がそれぞれの持ち場で現状の壁を破って成長・進歩にあくなき挑戦を開始するべき時だと思います。旧弊を打ち破って新しい試みへの挑戦と人を育て活かす時だと考えます。

もちろん海外ビジネスには投資資金や実務が出来る派遣人材の確保もさることながら①メーカーなら「売れる商品」「販売可能なマーケット」「現地で信頼できる良きパートナーや地方政府の協力」が必要ですし②専門商社等販売中心なら「海外進出されている日本の顧客やメーカーの後押し」「現地での協力体制と販売先の確保」が不可欠です。特に今はアベノミクスに呼応して海外進出する企業を支援してほしいと思います。あとはタイミングだけです。

新興国進出を計画されているなら是非フットワークの良い新興国進出支援専門家を紹介したいと思います。まずはジェトロの専門家と事前の打ち合わせ、現地訪問など、実情をつぶさに見て、良きパートナー、頼りになる人材の発掘が必要です。また海外進出には「小さく生んで大きく育てる」堅実さも肝要です。

今回お世話になった方も「インドネシアに限らず連絡いただければ、すぐに動いてお手伝いします」「さまざまな支援プログラムがあります」とおっしゃっています。当社にも連絡いただければ繋ぐだけの役割かもしれませんが、すぐにご紹介致したいと思います。

NO3 同じお客に同じ商品を同じ方法で売っている限り売上は伸びない

2014年7月18日

 このフレーズは営業の第一線にいる時に叩き込まれた言葉です。実際この20数年、日本のGDPが500兆円前後を低迷、多くの業界で売上が伸びない現実があります。そうした多くの業界、企業を考察すると次の事が言えます。

  1 需要全体が伸びず顧客も同じ、販売商品、商圏、販売方法が変わらなければ当然売上は伸びない

  2 一方、市場が成長期にあれば「同じお客、同じ商品、同じ方法で売って」いても売上は伸びる

  3 売上は市場(market)のニーズに提供する商品(product)が適合すれば売上は伸びる。但しいくら優れ

               た商品でも「売れる仕組み」がなければ売れない。そしてどの業界でもナンバーワン主義が広がっている

  4 近年「デルモデル」や「アマゾンモデル」のように顧客とダイレクトな関係を築いて商品を供給する新潮

    流ビジネスが台頭している。宅急便の進化で通販が伸び、コンビニは便利をキーワードに新しい顧客層に

    新しい提案で高収益を上げている。ネットスーパーも広がっている。最近ではアスクルに続いて工具通販

    モノタロウが業績を伸ばしている。安く早くを優先する顧客が増え今後益々ダイレクトビジネスが伸びる 

  5 ビジネスは「顧客に支持される魅力ある商品・サービス」がなければ市場形成はない。その上でデルやア

    マゾンなど他を圧倒する供給システムが既存の業態、企業、店舗を押さえて伸びている。当然押される方

    は売上が低下する。業績を伸ばす基本は「魅力ある商品・サービス」と「売れる仕組み」に変わりはない

    が市場変化に対応して「売れる仕組み」の見直しが必要になる。BtoBビジネスではメーカーと商社、商

    社と顧客との「相互信頼」が長い取引関係を築く。しかし商社は対応型だけでは顧客と密接強固な関係が

    広がらない。一味違う顧客サービス、積極的なソリューション提案、新潮流ビジネスの部分取り込みが必要になる

  6 業界全体が低迷する中でも伸びている企業がある。それら企業に共通する特徴が4つあるように思う

    ① 市場・業界・技術動向、顧客変化に敏感で今後の戦略を先読みして先手を打って改革に取り組んでいる

    ② 顧客にとって魅力的で優れた商品・サービスの開発、技術開発、モノづくり、生産性向上に熱心である

    ③ 経営理念、経営方針が社内に徹底されていて社員が誇りをもって顧客視点で自律的に仕事をしている。

      そして「人を活かす仕組み」「やり抜く企業文化・風土」がある

    ④ 販売展開(海外進出)サプライチェーンの最適化に業界横並びでなく新しい取り組みに慎重かつ積極的

      で、その取組みが同業他社に比べて早く抜きん出たものがある。それが顧客から支持されている

もちろん今回のベネッセのような不祥事を起こさないコンプライアンス、リスクマネジメント等「企業統治(ガバナンス)」や「管理力」も必要なことは言うまでもありません。グローバルな競争激化の時代「戦略優位」と「優れたオペレーション」の2つが市場地位を塗り替えます。そしてすべての出発点は「志」「目的達成に対する意識の高さ」であり、現状に甘んじる内向き志向ではなく「適度な危機感」と「顧客志向」「戦略優位」であり、新しいことに一歩踏み出す「勇気」であるように思います。次の企業発展に想いを馳せ目の前の変化・改革・進歩に勇気をもって取り組んでいきたいものです。

NO2「人を活かし人が育つ経営」の講演を行う

2014年7月8日

DSCF2500 DSCF2502

この6月、経営者団体のご依頼で2時間の講演をさせていただきました。出席者は多様な業種のメーカー、専門商社、卸、さらには情報通信関連の優良中堅企業のベテラン経営者の方々22名でした(従業員数30名~280名、平均110名)

全体として講演は好評で、参加者の皆様から「経営経験、実績を基に話しをされたので説得力があった」「今日の講演で圧倒的な成果を生み、人が育つ経営には、やり方(Do:課題達成機能)だけでなく、Win-Winの良好なコミュニケーションなど組織の信頼を深めエネルギーを結集するあり方(Be:集団維持機能)の発信・強化が必要なことがよく分かった」などの感想を頂きました。

終了後「中期経営計画アンケート」をお願いし11社から回答を得ました。

結果は      中期経営計画を策定している・・・・・・2社

         過去策定したことがある・・・・・・・・4社

         策定していない・・・・・・・・・・・・5社

また、現在中期経営計画を策定されていない9社に「今後中期経営計画は必要ですか」との問いに「年度計画の積み重ねで十分」が3社、必要との回答が6社あり、中堅企業様ではチャンスがあれば現状を打破して新たな成長の突破口となる中期経営計画策定が必要とのご認識であることが分かりました。さらに中期経営計画の重点をお聞きしたところ1位:人材育成・人材確保 2位:成長戦略 3位:財務体質改善 4位:実行主体という回答順位でありました。現状1部上場企業で70%、2部上場企業で50%が中期経営計画を策定されています。今回の講演での学びとご意見を参考に一層精進してお客様の期待に応えられるコンサルを目指し邁進してまいります。                                     

 

 

NO1提案を積み重ねてお客様の成果実現に貢献!

2014年6月28日

「代表ススムのブログ」をご覧いただきありがとうございます。

プログレスビジネスコンサルタンツ(株)の「プログレス(progress)」とは前進、進歩、発展の意味があります。そしてお客様と一緒になって戦略的改革に取り組み「社員の意識が変わってきた」「目に見えて成果が上がってきた」という価値と喜びの提供に全力で取り組んでまいります。

当社の得意分野は中期経営計画(マーケティング含む)、人材育成・組織活性化、業務改革の3つです。確かに「世の中の変化は激しく時間がかかることをやっていたら世間のスピードについていけない」とお叱りを頂くかも知れませんが、企業の抱える問題は構造的問題が多く、日々の事業活動の中では見過ごされがちです。しかしそこを見据え「一点突破」「集中」して、1つ、また1つと粘り強く切り崩し、加速的に取り組まなければ、今の時代、成長の壁は破れません。1年、2年と粘り強く取り組んでいくならば必ず花が咲き実を結びます。お客様からの情報・提案を基に当社からも積極的な提案を積み重ね実行の加速でお客様の次なる成長と成果実現に貢献してまいります。

2014,6,28