NO90 温暖化リスク

2021年9月1日

 IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)が2021年8月9日に第6次報告者を発表しました。

それによると産業革命(1760~1830年)前と比べた世界の気温上昇が2021~40年に1,5度に達するとの予測を公表したのです。(参考:日本経済新聞2021,8,10日)

温暖化は前回発表した2018年の想定より10年ほど早くなるとのことです。そしてもう一つ今回は『人間の活動の温暖化への影響は「疑う余地がない」と断定した』ことです。自然災害を増やす温暖化を抑えるには二酸化炭素(CO2)排出を実質ゼロにする必要があると指摘しています。

確かに世界人口は1世紀頃から産業革命ぐらいまでは数億人であったものが1950年には25億人、2017年には75億人と爆発的に増えています。

産業革命前は半世紀に1回だった猛暑は1,5度の上昇で9倍、2度で14倍に増えると予測されています。強烈な熱帯低気圧の発生率も上がり干ばつも深刻になり、平均海面水位は直近120年で0,2メートル上がっているとのことです。気候変動のリスクを正面から受け止め、対策を急ぐ必要があることは言うまでもありません。

    IPCC第6次評価報告書から平均気温が上昇すると異常気象が増える

温度上昇

1度(現在)

1,5度の場合

2度の場合

熱波など極端な高温

気温

発生率

+1,2度

4,8倍

+2度

8,6倍

+2,7度

13,9倍

極端な大雨

雨量

発生率

+6,7%

1,3倍

+10,5%

1,5倍

+14%

1,7倍

農業に被害を及ぼす干ばつ

発生率

1,7倍

2倍

2,4倍

2100年までの海面上昇(1995~2014年比)

高さ

  

0,28~0,55

メートル

0,32~0,62

メートル

21世紀に入り、新興国や途上国の経済成長に合わせ温暖化ガスの排出は急増しています。気温はこれまで約1度上昇しています。顕著な影響は山火事です。20年に大きな被害が出た米カルフォルニア州のほかロシアやカナダ、トルコ南西部でも相次ぎ、北極圏は他の地域の2倍超のペースで温暖化が進み、気温が1,5度上がった場合、海面上昇や台風で世界の1億4千万人が浸水などの被害を受けると予測しています。

IPCCは化石燃料の削減など抜本的な対策を取らない場合、気温は今世紀末に最大5,7度も上昇すると試算しています。影響はさらに深刻になりかねません。

報告書では「次の10年が決定的に重要だ」と声明を発表しています。今世紀半ばに温暖化ガスの排出を実質ゼロにするために、石炭火力発電の廃止や電気自動車への移行の加速が不可欠との見方を示しています。

政府は8月4日、30年度に温室効果ガス排出量を13年度比46%削減する目標達成をめざし計画案を示しました。2013年の温室効果ガスの排出量(実績)は14億800万トン、それを30年には7億6000万トンに46%削減する目標です。

政府は具体的には工場などの産業部門は1億7300万トン(37%)オフィスなど業務部門は1億1800万トン削る。家庭部門は1億3800万トン(66%)の大幅な圧縮を見込んでいます。CO2排出量の7割が電力由来であることから、計画案では省エネ家電への買い換えやLEDへの取り替え、断熱効果の高い建材による住宅改修、屋根に設置する太陽光発電、高効率給湯器の導入促進などをあげています。発電所を含むエネルギー転換部門では再生可能エネルギーを現在の2倍に増やすなどして発電由来のCO2を抑える方針を示しています。

温暖化リスクは待ったなしのところまで来ています。それぞれの立場で温暖化を食い止める取り組みが必要です。

 

NO89 米中関係

2021年8月26日

 中国には仕事の関係でこの40年で20回以上訪れています。ほとんどが上海、広州でしたが別途、旅行で杭州、西安に訪れたことがあります。私が接触した中国の人々は、それぞれ優秀で主張すべきことは主張しますし仕事もできる、日本に対して敬愛の念を持っていました。しかし初訪問の時、街はずれや商店街を見てみると日本の戦後の様で「汚い」「不衛生」人々の生活状態は豊かとは言えない状況だったと思います。また仕事のレベルは古いやり方のまま前近代的で日本に比べて30年、50年遅れているなと思いました。しかし中国は79年の国交正常化以降、現代中国の父と呼ばれる鄧小平や周恩来の登場によって「韜光養晦(とうこうようかい:能力を隠して力を蓄える)」「経済改革・開放路線」を推し進めます。そして89年の天安門事件を乗り越えて、この40年欧米、日本に学んで驚異的な発展を遂げました。GDP世界2位の大国です。

1971年、キッシンジャー大統領補佐官が極秘訪中して半世紀を迎えます。ここで米国がとり続けてきた中国との一定の関係を維持しながら変化を促す「関与政策」が終わろうとしています。そこで米中2人の識者の今後

についての意見を取り上げたいと思います。(参考:日本経済新聞夕刊2021,8,20日「政界Zoom」脱キッシンジャー路線、米中識者に聞く)

<対中政策を米政府や議会に助言している弁護士ゴードン・チャン氏>

 ・米国は中国共産党政権の本質を見誤った。国際秩序に組み入れれば共産主義体制も良好なものになるという

  認識を持ち続けてきた。実際には関与政策は失敗に終わり中国の危険性が一段と増しただけだった。

 ・旧ソ連が崩壊した1991年頃に政策変更すべきだった。民主主義と共産主義の戦いはゼロサムゲームだ

  (誰かの得点(利益)が同じ分だけ誰かの失点(損失)となる。その総和(=サム)が常にゼロである)

  もはや米国は中国に関与すべきではない

 ・貿易、投資、技術協力などを含めて関係を断ち切るべきだ。彼らは米中の接触を不当に利用し、私たちを打

  ち負かそうとしている

 ・中国は知的財産権の窃取や略奪的な貿易によって米国や日本から富と成長力を奪っている。その意味で世界

  経済のエンジンではなく、むしろ障害物と言える。これまでの優柔不断な対中政策が今のような危険な状態

  を作り出した。リスクを伴わない政策はもはやなくなった。その中で最善を探るべきだ。

<米国と中日関係に詳しい上海外国語大学廉トクカイ教授>

 ・米国が中国と一定の関係を維持しながら経済発展や民主化を促すキッシンジャーの対中政策に戻ることは

  もうないだろう。両国は協力と競争が同居する新しい関係になった。キッシンジャー氏の関与政策の背景に

  は米ソ関係があった。

 ・長い間、米国にとって中国がソ連以上の脅威になることはなかった。状況が変わったのは最近だ。中国の経

  済力は世界第2位になり米国の背中を捉えている。おそらく10年以内に追い越すだろう。軍事技術も急速

  に進歩した。北東アジアでは米国と互角以上の実力を備えつつある。

 ・中国が主張するのは「新型大国関係」だ。米国に取って代わるつもりはなく大国同士でウィンウィンの関係

  を築きたい。この考えが米国でなかなか理解されない。米国が中日関係を引き離そうとしており、残念なが

  ら政治上の理由から協力が進まない。

「日本は地理的に近い中国と経済関係を断つのは現実的ではなく、不要な対立を避ける必要がある。日本外交は米中対立の狭間で隘路(狭くと通りにくい道)を探るしかない」と新聞では締めくくっています。

NO88 イキイキする人

2021年8月20日

 今日、仕事帰りの電車で50歳を超えて「イキイキしている人」と「枯れている人」がはっきり分かれるという夕刊フジの記事に目を見張りました。これを書かれたのはエッセイスト・作家の潮凪洋介(しおなぎようすけ)という方です。

『イキイキしている人は

      ・好きで得意のことをしている

      ・友愛のある良好な人間関係の中で生きている

      ・最低限のお金に困っていない

 の3つの要素を兼ね備えている』というのです。私も同感です。

補足で

  • 大切なのは幸福度指数。財産と幸福度は比例しない。たとえ大金を得たとしても本当にドキドキワクワクすることをしているかどうか?分かり合える家族や友達がいるかどうか?その2つがなければお金を得ても本末転倒。もちろんお金は大切だが、最低限の収入を得たならば何が本当の幸せか考えることが大切だ
  • 自分の居場所は自分でつくる
  • 夢を見るには「体力」が必要。ほっておくと筋肉は目に見えて衰える。筋肉貯金をしよう。体が資本。

    私は「ウォーキング」を加えた方がいいと思います。

これに関連して世界の喜劇王と言われたチャールズ・チャップリンが残した言葉があります。

   『人生は恐れなければ、とても素晴らしいものなんだよ!

          人生に必要なもの。それは勇気と想像力、そして少しのお金だ』

NO87 パナソニック

2021年7月27日

 パナソニックがいまだ苦しんでいます。私などは松下幸之助さんの講演を聴いたことがある(大阪商工会議所にて:30代の頃)世代で、前職の製品をたくさん買っていただいたお客さんでもありパナソニックに尊敬の念と愛着があります。

2021年3月期は売上高6兆7000億円、純利益は前期比27%減の1650億円にとどまっています。また2000年以降21年間、売上高は8兆円から9兆円で伸び悩み、純利益が赤字の期もあり低迷してきました。

パナソニックは松下通信工業、松下電工や三洋電機などの子会社化や融合などに追われて次の方向を示し切れなかった10年の間に、同じコングロマリットである電機大手は将来への解を打ち出しています。ソニーグループはエンターテイメント、日立製作所はIOTサービス基盤「ルマーダ」を事業の中心に据えています。そして2社とも戦略図にそぐわない事業を切り離すなど構造改革を徹底して業績を改善し21年3月期に純利益が過去最高を更新しています。

津賀一宏前社長は退任を発表した20年11月、「収益を伴う成長ができなかった」と悔しさを口にしています。7000億円を超える最終赤字を抱えた就任直後から思えば「次の挑戦が維持できる形でここまでこれた」と一定程度の責務を果たしたと話される。また津賀一宏氏と同期間、社外取締役であった大田弘子氏(政策研究大学院大学特別教授)はこの9年間の津賀体制の評価について「格闘の9年間だった、製造業の収益構造が大きく変わった。大量生産、大量消費で収益を上げるわけではなくソフトウェアやリカーリング(繰り返す、循環という意味で長期的に継続収益を得ることを目的としたビジネスモデル)で収益を上げる時代だ。誰よりも理解してきたのが津賀氏で転換しようと格闘してきた。事業内容がBtoBに変わり変化する力を持ち始めたという感じだ」「継続性が重視されすぎるところがある。変わる力を持ち始めた今、旧態依然を捨て去ることが重要だ」と指摘されている。

後任を託された楠見雄規新社長は次の成長の柱について「まずは各事業で競争力を徹底的に強化してから」そして「パナソニックが経営の伝統、強さ、らしさを取り戻し大きな貢献を生み出す会社にしていきたい」と話されている。事業別5社と米・中の地域別の2社を加えた7つの社内カンパニー制で再スタートが切って落とされました。22年には持ち株会社制へ移行されます。アナリストからは赤字だった液晶や太陽電池からの撤退について「決断が遅い」と指摘されています。現在のパナソニックの時価総額は3兆円と10年前は2兆円でソニーと並んでいましたが今はソニーが13兆円とその差は4倍に広がっています。(参考:日経産業新聞2021,7,20/同2021,7,29)なんとか各事業を成長軌道にのせて再び強いパナソニックの復活を期待したいものです。

NO86 学び直し

2021年6月7日

 日本経済新聞2021年6月6日号の朝刊1面「チャートが語る:学び直し 世界が競う 出遅れる日本」という記事に注目しました。

  

  ・上図は「主な先進国の労働生産性と仕事関連の再教育への参加率の比較」です。学び直しと生産性には一定の相関関係があります。

  ・経済開発機構(OECD)のデーターで見ますと仕事に関する再教育へ参加する人の割合が高い国ほど時間あたり労働生産性が高い。

  ・時間あたりの労働生産性では日本は韓国と並んで低位にあり50ドルを下回っており欧米諸国に比べて半分ほどで、この20年日本は

   生産性の伸びが見られないようです。

  ・仕事関連の再教育参加率が日本は35%程度で50%を超えるデンマークやスウェーデンなど欧米の生産性は上位にある

  ・一方社員のITスキルの不足を多くの企業が懸念しており日経とパーソルの共同調査から従業員数300人以下では生産・製造、営業・

   マーケティング、研究開発、情報システム、経営管理の5分野中、営業・マーケティング、研究開発、情報システムの3分野において

   「不十分」生産・製造、経営管理の2分野では「十分」「不十分」ではなく「平均」という回答が寄せられている。(図表不掲載)

  ・生産性向上に必須のスキルを幅広い人材が高められる仕組みを整えなければ国際競争に出遅れる恐れがある。

 

 以上の記事から日本企業の「仕事関連の学び直し」が遅れています。当社も中期経営計画指導、さらには社員研修や管理職研修、幹部研修に

 力を注いできた経験から、一層内容の充実を図ってお客さまの要望に応えていきたいと思います。

NO85 幸せな会社

2021年5月25日

 2021年5月24日、日本経済新聞夕刊1面「あすへの話題」というコラムに伊藤忠商事会長の岡藤正弘さんの「商社三冠より大切なもの」という記事を読みました。中でも「社員にとって一番の会社になる」という考えに共感しました。(以下記事要旨)

  • 2021年3月期決算で純利益、株価、時価総額の3つで商社トップに立つという「商社3冠」を達成した
  • 10年前までは「万年4位」と言われたことを思えば感慨深い
  • 目の前の仕事に向き合い、一歩ずつ上を目指してくれた社員たちのがんばりの総和だ
  • ただ、私には3冠よりも大切にしたいものがある。4年前、ある雑誌で「幸せな会社ランキング」の2位に当社が選ばれた。するとがんで闘病中の社員から「私の中では伊藤忠が一番いい会社です」というメールが届いた。長期療養者への対応に感謝したいという内容だった。
  • その直後、悲しい知らせが届いた。葬儀に参列して彼の遺影と向き合うと、涙が止まらなくなってしまった。彼が日本一の会社だと言ってくれた伊藤忠。
  • その伊藤忠をもっといい会社にするために、私には何ができるのか・・・・。
  • 「社員にとって一番の会社になる」は商社3冠より高い山だ。彼に恥じない会社にするための努力を、私は怠ることはない。

企業にとって業績を上げることは大事です。しかし社員第一で「いい会社」「働きやすい会社」にすることもより大切なことだと思います。

今回の「幸せな会社ランキング」調査は、雑誌「プレジデント社」(2017年3月6日号)が大企業の40代男女社員対象に行っているもので「待遇の満足度」「人材の長期育成」「残業時間」「有給消化率」の自己採点スコアで定期的に調査、発表しています。

 

NO84 プラスティックごみと再生エネルギー

2021年4月29日

 プラスチックごみ削減や再生エネルギーについて考えてみたいと思います。

(日本経済新聞2021年4月26日夕刊及び環境省のHP参照)

もちろんプラスチックは石油から作られ、生産から廃棄の過程で発生する二酸化炭素(CO2)は地球温暖化の原因になります。海に流出すると簡単に分解せず、海洋汚染を引き起こします。世界では年間数百万トンのプラスチックが海に流入しているとされ、生態系への影響が懸念されています。日本の廃プラ排出量は2019年で850万トンに上ります。多少減少傾向にあるもののここ5年変わっていません。このうち家庭から排出される一般系は412万トンと前年より7万トン増えているそうです。包装や容器の消費量が増え、排出量の増加につながっています。ソース画像を表示

日本は1人当たりプラ容器包装の廃棄量が米国に次ぐ多さだそうです。1997年に容器包装リサイクル法が施行され自治体が分別回収した資源ごみの再商品化をメーカーに義務付けました。家電など他の個別リサイクル法の先駆けです。ペットボトルには同法の成果が表れ回収率は90%を超え、衣類や車の内装材などに使うリサイクル率も85%と世界最高水準。回収したペットボトルから新しいボトルをつくる動きも広まっています。セブン&アイ・ホールディングスは日本コカ・コーラと組み店頭で回収したペットボトルからリサイクルボトルをつくっています。

プラ製レジ袋は20年7月から有料化されました。その後は受け取り辞退者が増え辞退率は70%を超えているそうです。しかし家庭から排出されるプラごみ

の4分の3以上は容器包装でまだまだこれからというところです。消費者も含め官民一体でプラごみの削減に取り組みたいものです。

一方2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする目標を折り込んだ地球温暖化対策推進法改正案が2021年4月27日の衆議院本会議において全会一致で可決されました。

そこでは経済と環境の好循環を掲げて「グリーン社会の実現」に最大限注力するとして「2050年カーボンニュートラル」を宣言、官民上げて脱炭素を目指すことになりました。中でも再生エネルギーの導入に注力しており①太陽光5、041億kwh/年②陸上風力4、539億kwh/年③洋上風力15,584億kwh/年④中小水力226億kwh/年⑤地熱796億kwh/年 合計26,186億kwh/年となっており2019年の国内総発電電力量実績10,277億kwh/年の2倍以上を再生エネルギーに注力することが伺えます。もちろん原子力や天然ガスなどによる発電も維持するだろうと思われます。特に太陽光発電や風力など再生エネルギーに最大限注力されることは喜ばしい事です。

 

 

 

 

NO83 営業力強化

2021年3月2日

 先日、ある製造業のお客様に訪問した折、幹部の方から営業の強化策について話が及び「どうしたらいいですかね?」と投げかけられたこともあり今回は私の考える営業の強化策を考えてみます。大事なことは「現状把握」と「どのようなレベルにしたいのか(目標)」を明らかにすることから始めることです。

その前に3月1日付日本経済新聞夕刊1面「明日への課題」という欄に伊藤忠商事の岡藤会長が「ファーウェイに学ぶこと」と題して以下の記事が書かれていましたので紹介します(抜粋)

 ・松下幸之助さんの「水道哲学」があるが消費者の声に耳を傾けて望まれる商品をどんどん提供していくことは商売の基本中の基本だ。

 ・近年の日本企業は、この基本を忘れてはいまいか。大切なのはお客さんである。その声に耳を傾ける「マーケットイン」の発想を、

  日本企業は失っていないか。

 ・参考にしたいのが中国の華為技術(ファーウェイ)だ。その経営戦略に注目している。一昔前は「製品は三流、販売は二流」と

  言われたそうだが、当時から「サービスは一流」だったという。ここに成功の秘訣がある。

・聞けば創業者の任正非さんは日本企業の小型技術や品質管理を徹底的に研究したという。それだけではなく、アフターサービスを

 徹底させて顧客の要望を採り入れ、三流と言われた製品をどんどん進化させた。これをマネと言うか、マーケットインの発想と捉

 えるか。新興企業と侮るなかれ。学ぶことは多いはずだ。

私が考える営業の強化策は

 第1に営業関係者及び顧客、経営サイドからの意見などをもとに「現状把握」「あるべき姿」「目標」を作る

 第2にあるべき姿なり目標を達成するための具体策や大筋の手順を明確にし全員で共有する

 第3に教育訓練の場を設け社員同士の討議も加え営業全体のレベルアップ、人材育成を強化する

 第4に人材が育つのは現場です。 良い上司と存分に働く場所があれば成果を出し適度の刺激によって人は育つものです。

        もちろん人が育ち、各人がやる気になる人事諸制度の整備は必須です。

 第5に顧客及び職場内での信頼関係、全社、関係部門との信頼関係を良好なものにする

 第6にそれぞれ現場サイドから具体策を上げてもらい実行し目標達成を図る

 第7にSFA (Sales Force Automation:セールス・フォース・オートメ―ション)の略 で営業支援システム、CRM

  (Customer Relationship Management:カスタマーリレイションシップ・マネジメント)の略で顧客管理システムです。

  「引合い管理」「顧客管理」「セールス行動管理」の3つのシステムを導入して合理的、科学的な営業を行う

 第8に営業部門にカスタマーセンターを設置、お客さまの意見、提案、苦情、問い合わせをダイレクトに受け付け処理する

  機能を強化する、情報重視、顧客や市場の情報を活かせるかが大事。但し装置産業の場合はアフターサービス部門の設置は必須です。「サービスが一流」に

  なれば、いずれ市場地位も格段に上がってきます。

NO7,8を行うことによって格段に営業強化、顧客満足度向上、業績向上が出来ます。マーケティング、営業力強化と言ってもそれぞれの分野でナンバーワン、オンリーワンを目指すことです。あとはやり遂げる熱意です。

NO 82 ソニーとパナソニック

2021年1月30日

 新型コロナウイルス禍に明け暮れた2020年は多くの企業の明暗を分けましたが、日本における代表例

が20世紀の家電の両雄、ソニーとパナソニックです。(参照記事:日本経済新聞2020,12,30・31日から)

「明」のソニーは業績好調。コロナ禍による「巣ごもり消費」が追い風になってゲームや音楽などが成長し

21年3月期の売上8兆5000億円、最終利益は前期比37%増の8千億円を見込んでいます。

一方「暗」のパナソニックは長引く低迷から抜け出せていません。21年3月期の売上6兆5000億円、

最終利益は前期比56%減の1千億円とも予想されています。

コロナ禍で鮮明になった両者の明暗。その要因は事業構成のトランスフォーメーション(転換・変換)を

着実に進めたソニーに対してパナソニックは事業モデルの刷新に立ち遅れたと言われています。

5年前までエレクトロニクス産業を論じる際に「スマイルカーブ」の例えがよく使われました。

両端が上がり真ん中の下がったスマイルカーブと同じく、電機産業のサプライチェーンにおいて

川上の部品や素材、川下のメンテナンスやサービスの収益性は高いが中間の組

み立て、製造プロセスはコモディティー化が進み、あまり儲からないという指摘です。

この構図に沿ってソニーのポートフォリオを分析

すると、「かって主力だったテレビやビデオといった組み立て型事業の比率が下がり、逆にゲームや

音楽、映画などのサービス系とイメージセンサーの部品ビジネスの構成比が高まっています。過去四半世紀に

わたって絶え間なく事業の取捨選択を進め、スマイルカーブの両端のビジネスに会社の軸足をシフトしていま

す」一方で「パナソニックは赤字になると、シャカリキになってリストラしますが、危機が終わると組織全体

が緩んで変革が中途半端に終わるというパターンを繰り返してきたようにみえる。やはり新生パナソニックは

なお広い事業領域を大胆に絞り込み、強みを持つ分野に人やカネを集中できる体制づくりを急ぐべきだろう」

と指摘しています。企業の健全な成長、発展には事業モデルの見直しや刷新は必要不可欠です。これには事業

の長期的視点に立った決断、それに従って年度毎の果敢な経営の取り組みが必要です。想定が外れ成功できな

ければ傷の浅いうちに再び舵を切って再チャレンジしていけばいいのです。パナソニックの復活を願います。

 

NO81 DXとグリーン

2021年1月4日

 21世紀に入って21年 しかしこの20年間、日本のGDP(国民総生産)は横ばいで成長が見られません。

日本を代表する大手企業でもほとんどが伸び悩んでおり目覚ましい成長をしている企業は限られています。

2021年以降どうして企業を成長発展させていくか悩みが多いところです。マクロ経済における日本の需要

側面も供給側面も伸び悩んでいます。政府は需要面では消費・投資・公共需要・外需の4つで需要喚起を行っ

てきましたがそれほど成果は上がっていません。一方供給面では資本や労働を利用して財やサービスの生産を

増やすことですが労働力は人口の減少もあり期待できません。あとは資本ストック(投資)が増えることと生

産性が伸びることです。この面でも世界的に見ても日本は低迷しています。やはり過去の成功体験を引きずっ

て新しい挑戦が出来ていないというべきでしょう。これからの時代のキーワードは「デジタル」と「グリー

ン」です。今の延長線上に成長・発展はありません。

デジタル技術の変化を原動力として社会や企業活動を変えていくデジタルトランスフォーメーション(DX)を

本格的に推し進め「仕事を便利に」「生産性向上」に結び付けていくことです。そしてもう一つが単なる内部

留保ではなく投資を通じて資本ストックを拡大することです。テーマは「デジタル投資」に加えて地球温暖

化ガスの排出を2050年にゼロにする「グリーン投資」です。

日本経済新聞の2021年1月1日号の朝刊一面に「脱酸素の主役 世界を競う」「第4の革命 カーボンゼ

ロ」「日米欧中動く8500兆円」とあります。第1の革命は農業革命 第2の革命が産業革命 第3の革命

が情報革命です。そして第4の革命がエネルギーの主役を交代させる「脱炭素 カーボンゼロ革命」になると

言われています。気温は第2の産業革命後、約1度上がっているそうです。このままでは30~50年に上昇

幅が1・5度になり、相次ぐ熱波や洪水、海面上昇、山火事が地球の異変を告げ生態系の変化・損失、食料・

水不足、感染症の増加が起こってきます。いよいよ官民挙げての取り組みが始まります。「デジタル」と「グ

リーン」に今一度目を向け直しビジネスチャンスと受け止め自社ならではの切り口で取り組みを開始してくだ

さい